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グルジア戦争、日本新政権への教訓

(by こげばん)


現在進行中の金融危機や、まして夏のグルジア危機などどこにやら、というわけではないだろうが、日米とも政治の季節真っ盛りである。

海の向こうアメリカでは現在オバマとマケインの接戦が続いており(下記WSJ記事によると、現時点での支持率はオバマ48%に対しマケイン46%)、
http://online.wsj.com/article/SB122228902289272455.html

日本では先日、親中国的だった福田内閣が総辞職して、タカ派色が強いと言われる麻生太郎氏が首相に就任し、近日中に総選挙が行われる見込みとなっている。

そんな中、民主党リベラル系シンクタンク・カーネギー国際平和財団が'Georgia's Lessons for Taiwan(グルジア戦争、台湾の教訓)'と題して、グルジア同様大国に国境を接する台湾に、6項目からなる提言を発表している。全文は下記リンクを参照していただくとして、今後中国とどのようにつきあうかは台湾のみならず日本の課題でもあるので、提言をかいつまんでみることにしたい。
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http://carnegieendowment.org/publications/index.cfm?fa=view&id=20442&prog=zch,zru
Georgia's Lessons for Taiwan
By Douglas H. Paal , Jeffrey Bader
Far Eastern Economic Review, September 2, 2008

(以下提言要約)

(1)(西側諸国と締結したorする見込みの)安全保障条約を過大評価するな。

(2)アメリカが助けに来る見込みが無いなら、ロシアや中国を挑発するな。

(3)アメリカと大国(ロシアや中国)との建設的関係こそが、小国(グルジア
や台湾)の安全保障の鍵となる。

(4)地政学的リスクを熟考すべし。隣人が何者かを知れ。

(5)武力の裏づけがなければ、穏やかに平和を語れ。

(6)日頃からの信頼醸成が大切である。
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この提言や下記リンクにある民主党正副大統領候補の対中政策を見る限り、アメリカは極東で中国と事を構える気などさらさらなく、
http://www.cfr.org/bios/11603/barack_obama.html#10
http://www.cfr.org/bios/1451/joseph_r_biden_jr.html#10

(金正日後の北朝鮮がどうなるかという不確定要因を別にすれば)将来的には極東を米中共同管理しようと考えているのではないか、と匂わせている気配が感じられる。

関連エントリー 「今後の米中関係を暗示させる、ブレジンスキーの教えているSAIS中国校」
http://ameblo.jp/sunshine-berkeley/day-20080531.html

さて先日発足したばかりの麻生政権だが、閣僚に「郵政造反組」(中曽根弘文、野田聖子両氏)を起用するなど、アメリカに受けの良かった「小泉改革」から一定の距離を置こうとするなど、興味深い動きがいくつか見受けられる。

ただアメリカに民主党政権が誕生すれば、あるいは共和党政権が継続するとしてもアメリカ金融危機深化でアメリカが極東でのプレゼンス維持が不可能となれば、極東での米中蜜月が進行して、日本も現在の台湾と同じような環境に直面する可能性はあるのでは、と考えられる。そうなれば、タカ派的スタンスをとる麻生政権はアメリカ極東戦略の足かせになることも考えられ、麻生内閣が「小泉改革」色を薄めたこととも考え合わせると、たとえ次期総選挙で自民党が勝利したとしても、麻生政権は先の安倍・福田政権以上に茨の道を歩むのではないか、という予感がする(これはうがった見方かもしれないが、小泉引退は麻生新政権に対するある種の「メッセージ」ともいえるかもしれない)。

わかりきったことといわれればそれまでだが、アメリカにしてみれば仮に自民党が下野したとしても、(日本)民主党の若手改革派主導の政権を成立させ、上記提言のように米中両国の下風に立ちつつ、これまで通り「構造改革」を進めてくれればいいとでも考えているかもしれない。そう考えれば、仮に日本で政権交代が実現したとしても、来るべき民主党主導政権の真贋はたとえば郵政や農業をどう扱うかあたりを見極めるまでは確言できないのかもしれない。

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(質問 by Mapple)

■私事でUrgent の質問です!

ワシントン・ミューチュラル、潰れました。この銀行に仕事の収益の口座があり、小金ですが入っています。どうなっちゃうのでしょう?テーマと違ってごめんなさい。


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(レス by こげばん)

■日本・台湾・パキスタン 不安定の弧の行方

台湾は今春、独立志向の陳水扁氏に代わり、大陸協調派の馬英九氏が総統(大統領)に就任して、場合によっては21世紀版「国共合作」が見られるかもしれませんので、カーネギーの提言はむしろ馬英九・国民党現政権にはありがたいかもしれません。

さて21世紀版「国共合作」が見られ、さらには経済危機深刻化などの理由でアメリカの極東プレゼンスが後退するようなことがあれば、日本が現在の台湾のように「辺境化」することも考えられ、場合によってはアメリカ離れをする必要が生ずるかもしれませんが、その日本で民族派に受けがよく、かつ脱構造改革の兆候が見られる麻生政権の誕生や、政権交代の可能性がある来るべき総選挙にあわせ、北朝鮮が核開発を再開したり、原子力空母が横須賀に入港したとなると、いかに鈍感な属国国民といえども、これは出来すぎていると思ったりしてしまいます(笑)。

そこで先のカーネギー提言などは台湾へのメッセージというより、むしろ暗に日本に対するメッセージではないか、などと勘ぐりたくなります。(強制労働で悪名高い一族の出自で、かつ失言の多い麻生氏に対し)「大した武力もないくせに、失言などで中国を挑発するな。民族派の機嫌などとらず、普段から「信頼醸成」に努めよ。隣国北朝鮮は何時暴発するかわからないから、日米同盟は最大限尊重しなさい。けど中国とは仲良くさせていただくので悪しからず」てな感じで!?

話変わって「テロ」→アメリカ介入とこちらも出来すぎの感のあるパキスタンですが、CFRがパキスタンをテーマとした興味深い論文を発表しています。

http://www.cfr.org/publication/16763/

http://www.cfr.org/content/publications/attachments/Pakistan_CSR36.pdf
Securing Pakistan's Tribal Belt - Pakistan constitutes one of the most important and difficult challenges facing U.S. foreign policy.

pdf版の本文はかなり長いので結論と提言しか読んでいませんが、パキスタン国内の指揮系統・官僚制の再構築やパキスタンとの関係強化(P58)など日本にもあてはまりそうな提言や、日本にもパキスタンへの関与を求めるくだり(P60)や、アメリカの「アメとムチ」は、ドルベースで見て恐らく最も効率のよい政策(P55)などという本音?が出てきて興味深いです。

この論文を読んでも、今後アメリカ(恐らくオバマ政権)がパキスタンを如何に重視しているか(本線はロシアの「柔らかい下腹」不安定化?)が窺えますが、それを考えれば小沢一郎氏のアフガン派兵構想は確かに危険です。

それでなくても最近の民主党、候補者選びからして「生活第一」スローガンにふさわしそうな候補(たとえば↓)
http://www.asyura2.com/08/senkyo47/msg/381.html

の公認を外すなど迷走が目立ちますが、そろそろ政権交代したほうが日本のためとはいえ、民主党がこの調子なら、国民新党のようにintegrityをしっかり持った、ブレない政党にしっかり支えてもらわないと危なっかしいような気がします。


米ソ冷戦のさなかの、アポロ-ソユーズ計画


そーいえば30年ほど前、米ソの宇宙船がドッキングするという「快挙」がありましたが、
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http://www.actv.ne.jp/~yappi/tanosii-sekaisi/10_theme/10_03utyuu/10_03utyuu06.htm
1975年7月、宇宙開発史において画期的な計画が行われました。アポロ-ソユーズ計画、すなわち米国のアポロ宇宙船とソ連のソユーズ宇宙船のドッキングです。冷戦のまっただ中にありながら、米ソ両国が宇宙計画において初めて手を結んだのです。(中略)彼らはドッキング後、お互いの宇宙船に移乗し合いました。
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宇宙で宇宙船をドッキングさせるなど、Interstateでトラックとトレーラーをくっつけるのとは訳が違い、恐らく10年以上の周到な準備が必要かと思われます。

その頃といえば、ベトナム戦争やプラハの春などで米ソが激しく対立していましたが、宇宙分野では緊密な協力をしていたとなると、当時の冷戦とは…???
こげぱん 2008-09-29 00:46:59

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(レス by sunshine)

■気になるロシア専門家の提言

カーネギー国際平和財団の「Georgia's Lessons for Taiwan」を書いたパール氏が中国の専門家であり、台湾にも勤務していたこと、父・ブッシュやレーガンの外交補佐官などを歴任していたことがあることなどを知り、こげばんさんがいうように台湾のみならず暗に日本へのメッセージかもしれないと思えるようになりました。


他の東アジア関連の論文を少し読んでも、アメリカにとって台湾や日本などは中国に隣接した”島”でしかなく、ほとんど眼中にない存在のような感が最近益々強まってきたように思います。そこで将来アメリカが日本を手放した場合、どう日本が振る舞えばよいのかという提言と見れば良き教訓というものです。


各地域の専門家は自分の専門地域の言語・文化を理解できるので、たとえ政府のプロパガンダ的な役割を負っての言論・研究活動だとしても、専門地域の人々への”愛情”というものは芽生える(二重プロパガンダというのもあるでしょうが)。そのため自分の専門地域への“ひいき目”的見方は生じがちです。


それを裏付けるかのよう話が9月29日付け、CFRのHPにCSIS(戦略国際問題研究所)のロシア・ユーラシア・プログラムのディレクター、アンドリュー・クチンス(Andrew Kuchins)のラジオ・インタビューから掲載されています。

U.S-Russia-China Policy Triangle
http://www.cfr.org/publication/17368/usrussiachina_policy_triangle.html?breadcrumb=%2F

http://www.csis.org/component/option,com_csis_experts/task,view/id,453/


この中でクチンス氏は、「先般のグルジア紛争に関して、中国はグルジア国境におけるロシア軍の派兵に関しては賛成の意を示したが、ロシアが独立を承認した南オセチアとアブカジアについては、中国は両国の独立承認を拒否した。最近、自分はロシアでプーチン首相やメゾべージェフ大統領も交えた閣僚達との会合に出席した(このこと自体、不思議な感じ)。その時、プーチン首相は私に中国とロシアの関係に変化はないといったが、しかし彼が中国に対して、以前よりも少し防御的な姿勢へと変化しているように感じた」と言っています。彼は又、


「北京オリンピックの時、プーチン氏と中国主席がこの問題について話した際、中国はロシアを全面的に支援するといっていたが、その後、微妙に態度が変化したことにロシアが身構えるようになってきたと思う。米ロが関係改善をし、互いが手を結べば、中国の勢力拡大に歯止めをかけることができる。ニクソンーキッシンジャーが行った米ロ中の三者間外交のようなものを構築するのが良いのではないか」(この前でも書いたように宇宙開発分野では米ロは協力関係にあるので、これは表向きのアピールということになるのか??)。


とも述べています。これを聞いてもやはり台湾はいずれ中国に、そして日本はどうなるのか分かりませんが、いずれにしても大国の眼中にはないというのが現実でしょうね(それなのに日本の銀行マネーだけは狙われている)。










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■中台の対話は今年9年ぶりに再開されているはず

カーネギー国際平和財団の提言、「Georgia's Lessons for Taiwan」を読んで、逆にこれはアメリカの台湾(や日本)に対する扇動・挑発かと思ったぐらいです。なぜなら中国と台湾は今年、6月11日に9年ぶりの直接対話が開始されたばかりとの報道があるからです。

http://event.media.yahoo.co.jp/nikkeibp/20080610-00000000-nkbp-bus_all.html">http://event.media.yahoo.co.jp/nikkeibp/20080610-00000000-nkbp-bus_all.html


2 ■日米企業、不祥事の対応

さっきWashington Mutualのサイト
https://www.wamu.com/personal/default.asp
を見てみましたが、トップページで破綻について一言も触れられていないのには、今更ながらとはいえアメリカ企業らしいなぁ、と思いました。
(せめて預金者の預金が今後どーなるかくらい、書いときゃいいものを…)

不祥事をおこした日本企業は、まずはこのようなお詫びをするのが普通ですが…
http://www.westjr.co.jp/

#ま、この会社、事故後に会長が謝罪もせずこんな道楽しているところ見りゃ
http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B2%A3%B9%CB%BF%B3%B5%C4%B0%D1%B0%F7%B2%F1
その後真摯に反省しているかどーか極めて怪しいものですが(笑)

p.s.sunshineさん
このコメント、本題からは外れるので、こめんとのまま置いておいても結構です。

3 ■こちらに失礼

私はおっちょこちょいで、気が早いから何でもすぐに捨てたり、消したりして後でしまったと後悔するのです。今回もこげばんさんが書いているように、テーマと関係ないのはコメント欄に残しておけばよいと思い、そうしました。前回もそうすればよかったですが・・。

さてMappleさん、銀行ですが、10年ぐらい前、B of Aが危ないといわれていた時、私も変えようかと思いましたが、「バチカンからのサポートもありそう」との噂によりそのままにしていました。何しろブランチが多いので、便利なので、そのまま使っています。

こげばんさん、

いかにもアメリカの企業らしい話。言われてみればそうですね。死んでも謝らないというスタンスだから(笑) 「自分は正しい、他者が悪い」とね。これだから社会全体が崩壊寸前。それでも貧乏になって、成人した親子が同居する家族が増えてきたから、他者との共同生活ということで、少しは他人への思いやりも出てくるかも?

4 ■とても読み易くなりました。

ありがとうございました。
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