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ハリウッドに乗り込むインド系企業とハリウッド資本で伸びる中国映画産業


   

   今年2月、北京オリンピックまであと半年という時期に、スーダン・ダルフール問題への中国政府の外交姿勢を不満として、スピルバーグが開会式と閉会式の芸術顧問を辞退したという、唐突なニュースが流れた。


大イベントのショーの準備には少なくとも1、2年はかける。それなのに、このタイミングで辞退するとは、無責任というもの。それなら最初から、辞退していればよかったのだ。ダルフール紛争は、2003年に始まったわけで、中国とスーダン政府の関係については、何年も前から分かっていたはずではないか


数々のヒット作を飛ばし、特にユダヤ人虐殺を描いた「シンドラーのリスト」をはじめ、他の作品でも何度かアカデミー賞も受賞し、イギリス王室から「ナイト(騎士)」の称号までもらっている彼である。ここまでの“名士”になれば、それなりの政治的な絡みもある事は確か。しかし、このタイミングでの辞退は、おかしいと誰でも思うものだ。


中国のスポークスマンは、これに対して表だって怒りを露わにはしていなかったが、「スピルバーグなしでも、うまくやるつもり」と静かに述べていた。また、これについては、世界中の映画監督たちの間でも、「無責任」との意見が出ていた。


私は以前、映画関係者から、彼の制作会社、「ドリーム・ワークス(Dream Works)」は、パラマウント映画(親会社:ヴィアコム)と今年末で契約が切れ、再契約はないこと、スピルバーグが新会社への出資者と配給先を求めて、奔走していること、などの話を聞いていたので、「それで北京オリンピックの芸術顧問の役が務まるのかな?」との思いは持っていた。


この疑問に答えるかのように、6月16日、インドの複合企業、リライアンス・ADA・グループ(Reliance ADA Group)が、スピルバーグの製作会社「ドリーム・ワークス」に対して出資を行うための事前協議に入っているとのニュースが報道された。「やはり、スピルバーグは、インドと中国を天秤にかけていたのかな」と思った(インドと中国は、国境問題やダライ・ラマが亡命して作った暫定チベット政府がインドのダラムサラにあるということもあって、昔から仲が悪い)。


インドは年間作品数では世界一の映画産業の国でもある。スピルバーグの会社に株式投資をするという会社は、これを契機にアメリカで更なるビジネス・チャンスを掴むつもりと言っている。


一方、スピルバーグに”足蹴り”された中国も映画産業の台頭には著しいものがあり、ハリウッド映画会社の巨大マネーによる投資が行われている。


「ハリウッド映画が”題材不足(ネタ切れ)”で面白くなくなった」といわれるようになってから、かなりの月日が流れるが、それに比べ、2,000年に中国・台湾・香港・アメリカの共同制作による話題作「グリーン・ディストリー(Crouching Tiger, Hidden Dragon)」に代表される「空手」映画は依然として高い人気を保っている。また拡大する中国での映画市場も見過ごせない。これらの理由から、中国には大手ハリウッド映画会社だけではなく、ゴールドマン・サックスといった投資会社も乗り込んでいる。


アメリカ映画界がヨーロッパ映画界との闘いに勝利してから約半世紀、以後、映画はアメリカを代表する国家産業となった。そして、これを保護するために外国映画の国内での上映には制限を設け、ハリウッドへの外国資本の参入に対しては厳しく目を光らせてきた。


ソニーがコロンビア映画を買収したのは1989年だった。しかし、買収後の新会社、ソニー・ピクチャーズ・エンターテイメントの経営・運営はアメリカ側に牛耳られ、「金は出すけど口は出さない」ことになっている。


また、松下も1990年、MCA(現ユニバーサル・スタジオ)を61億ドル(当時約7,800億円)で買収。しかし。MCA経営陣との対立が表面化し、松下は95年にMCAの株式の8割を57億ドル(発表当時のレートで約4,800億円)で売却した(させられた)という話は有名。


このように日本の企業がハリウッドの映画産業に食い込むことは、容易ではなく、マネー・ゲームに巻き込まれ、うまくカモにされて、金を巻き上げられるのが落ちであったし、メディアも「アメリカ文化が日本に乗っ取られた」と言って、大騒ぎをした。


しかし、今度は“商売上手”なことでは、ユダヤ系と互角の勝負といわれているインド系コングロマリット(複合企業体)がハリウッドに挑む。また、一方、”したたかさ”と“商売上手”なことでは、ユダヤ系にもインド系にも決して負けていない中国が、ハリウッド資本を相手にどんなゲームを演じるか、今後の展開が面白くなってきた。


BRICsの時代は、こんな分野にも到来してきている。

http://www.ft.com/cms/s/0/c0c024ac-d9d7-11dc-bd4d-0000779fd2ac,dwp_uuid=9c33700c-4c86-11da-89df-0000779e2340.html

http://www.cbsnews.com/stories/2008/02/14/world/main3829927.shtml?source=related_story

http://www.variety.com/article/VR1117981372.html?categoryid=1011&cs=1

http://en.wikipedia.org/wiki/Sony_Pictures_Entertainment
http://en.wikipedia.org/wiki/Cinema_of_India
http://www.nytimes.com/2005/07/04/business/media/04film.html?_r=1&oref=slogin

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ドリーム・ワークス新会社にリライアンスが出資 スピルバーグ、パラマウントから脱出か?


インドの複合企業、リライアンス・ADA・グループ(Reliance ADA Group)は、ドリーム・ワークス・ピクチャーズの新会社への出資について、同スタジオの主要人物スティーヴン・スピルバーグ監督とデイヴィッド・ゲフィンと事前協議を始めた。


米パラマウント・ピクチャーズ傘下にあるドリーム・ワークス・ピクチャーズは2007年9月、パラマウントの親会社バィアコムのフィリップ・ドーマンCEOがスピルバーグ監督は不要だと発言してから両社の亀裂が表面化していた(スピルバーグが、制作における独立権を主張をしていたからといわれている。アーティストとマネージメント・サイドには、こういったもめごとはつきものではある)。

05年にバィアコムに買収された際、スピルバーグ監督とゲフィンは雇用契約を結んでいるが、その契約が年末に満了するため、2人が年内にドリームワークス・ピクチャーズから離脱することが確実視されている。

同社の創始者である2人が離脱した場合、「ドリームワークス」という社名の登記登録を移せることが買収条件に盛り込まれているため、スピルバーグ監督は新スタジオをドリーム・ワークスと命名することが可能だ(ただし、パラマウント傘下で手がけた映画企画は移転できない)。

ゲフィンは映画業界からの引退を希望しているため、元ユニバーサル・ピクチャーズ社長で現在はドリーム・ワークスのCEOを務めるステイシー・スナイダーが、新会社へ移るものとみられている。

新会社では年に6本ほどの長編映画を製作する予定。配給先はまだ、決定されておらず、候補としては、ユニバーサル映画(親会社:ジェネラル・エレクトリック)、20世紀フォックス(親会社:ニュース・コープ。これはまたウォール・ストリート・ジャーナルの出版元であるダウ・ジョーンズ&Co. のオーナーでもある)が挙げられているが、

スピルバーグ監督の古巣であるユニバーサルと手を組む可能性が高い。

ウォール・ストリート・ジャーナル紙によると、リライアンス・ ADA ・グループはドリームワークスの新会社に対し5億ドル(500億円)から6億ドル(600億円)の株式投資を行う予定。年内の新会社設立が現実味を帯びてきた。

リライアンス ADA グループは、電気、通信、金融、保険などを扱うインド最大の複合企業。傘下のメディア企業リライアンス・ビッグ・エンターテイメントは5月、ジョージ・クルーニーやニコラス・ケイジ、トム・ハンクスらの製作会社に企画開発資金を提供すると発表しており、ハリウッドにおける存在感を日に日に増している。


「りライアンス・ADA」は通信、金融サービス、娯楽産業の分野での発展に興味を示しており、スピルバーグ氏の会社に融資することによって、“メディア帝国”の構築を目指すとのこと。


CEOのアニル・アムバニ氏(Anil Ambani )は、個人資産4兆2千億円で、兄・ムケシュ・アムバニ氏(Mukesh Ambani)の個人資産・4兆3千億円に次いで世界第六位。


弟はムンバイ大学から米・ペンシルベニア大学院でMBAを、兄は同じくムンバイ大学からスタンフォード大学院でMBAを取得。スタンフォード大学院の評議員までやっている。従って、アメリカ・ビジネス界にもかなり深く入り込んでいることはたやすく想像できる。現在は、リライアンス・グループ全体のCEO。


ambani
                          (兄のムケシュ・アムバニ氏)

http://en.wikipedia.org/wiki/List_of_billionaires_%282008%29

http://online.wsj.com/article/SB121374926083182807.html?mod=googlenews_wsj
http://excite.co.jp/News/entertainment/20080619134400/Variety_20080619006.html
http://www.forbes.com/lists/2008/10/billionaires08_Mukesh-Ambani_NY3A.html http://www.relianceadagroup.com/adportal/ADA/index.jsp

http://timesofindia.indiatimes.com/articleshow/msid-3142665,flstry-1.cms

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なお、スピルバーグが今回、手を切ることになったパラマウント映画は、ロックフェラー(デイビッド・ロックフェラー?)財閥系、ユ二バーサル映画はモルガン財閥系、20世紀フォックスのニュース・コープのオーナーはルパート・マードック氏で、モルガン財閥系と言われている。


中国進出の大手ハリウッド映画会社は、ウォルト・ディズニー、コロムビア、タイム・ワーナーなど。前者2社がロックフェラー財閥系で、3番目がモルガン財閥系(=ロスチャイルド財閥系?)といわれている。


また、「ドリーム・ワーク」は今回の大統領選では、オバマを支持。2月20日には、「ビバリー・ヒルス・ヒルトン」で、スピルバーグ、ジェフリー・カッゼンバーグ、デイヴィッド・ゲフィンの”ドリーム・ワーク3人衆”が、ホストとなって選挙資金集めのためのパーティーも開催した。

http://archive.newsmax.com/archives/ic/2007/1/25/100335.shtml

国際金融財閥と政治、映画のコネクションは、このように複雑に絡み合ってゲームを展開し、支配を強めているということの一端がこんなところにも垣間見られる。


アメリカの地殻変動は、静かに進行している。


**スピルバーグやジョージ・ルーカス、フランシス・コッポラが”師”とあがめていた黒澤 明監督がもう少し長生きしてくれたなら、日本映画も面白い展開ができたのかもしれない。残念だ。


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1 ■台湾人知性派モデル・林志玲

主題からはかなり外れますが、中国本土や東南アジアで人気の台湾人モデル・林志玲は高校・大学をカナダ・トロントで過ごし、トロント大学で西洋美術史と経済学をダブルメジャーした才媛ですが、

http://jp.youtube.com/watch?v=FLRjC5e_EYE
http://jp.youtube.com/watch?v=5B5PLmRQ6yg

このような世界標準を熟知していそうなタレントが受け入れられる国と、相も変わらずおバカタレントやオバタリアンなどがのさぼる国では、何か今後の運命が分かれそうな気がします。

このようなところからも、日本抜きの「アジアの時代」が到来しそうな嫌な予感がします。


追伸:このところ原因不明の熱がよく出るため、なかなか書き込めず超遅レスになりました。すみません。
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