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オバマの恩師の発言は黒人教会や黒人コミュニティーでは極めて常識的なこと

15日は、オバマの所属する元牧師の”過激”な発言について書いた。しかし、あれくらいのことは、過激でもなんでもない。黒人コミュニティーや黒人教会に行けば、日常茶飯事的に言われていること。ちょっとしたポリティカル・ラッパーなら、あの程度は、じゃかじゃかライムに取り入れて、歌っている。


ライト師が言った、「"God Bless America"(神よ、アメリカに祝福を)ではなく、 "God damn America."(くそったれ、アメリカ)」という言い方や、”U.S. of KKKA”や”AmeriKKKa"それから”United Snakes of AmeriKKKa"なども、ごく普通に使われている言葉だし、その他のことについて彼が言ったことは、黒人たちの間ではもはや”常識”ともいえるものだ。


それを知らない白人や日本人は、やれ、左翼だ、右翼だ、人種差別主義者だといって大騒ぎをするが、冗談じゃない。「アフリカン・アメリカン・スタディー(黒人学)」や『アフリカン・スタディー(アフリカ学)」を少しでもかじったことがある人なら分かるが、あれくらいのことは授業で教わる(「アメリカは、アフリカにエイズ・ウイルスをばら撒いた」ということは、ずっと前から黒人コミュニティーでは言われてきたことだ。特にライト師はハワード大学という黒人大学を卒業しているが、この大学はモアハウス、フィスクと並んで”黒人大学のアイビーリーグ”といわれているごりごりの黒人大学エリート校。これくらいのことは朝飯前で教わっているはずだ)。


中には生まれながらに白人ミドル、アッパー・ミドルクラス生まれで、白人学校に行き、メンタリティーまで白人の”オレオ”と呼ばれるライスのような黒人もいるが、大体はいくら大学卒で白人企業の優秀な社員になっていても、親しくなれば、黒人コミュニティーで代々語られてきた、このような本音をポロリと口に出すものだ。「アメリカには二つの国がある。ホワイト・アメリカとブラック・アメリカだ」といったのは、マルコムXだったが、それは現在でも大筋において、間違いではない。


しかし大統領選挙の茶番劇を演出するために、しつこく何年も前のライト師のテープを探し出して、あれこれ文句をつけているのを見ると、「高みの見物」をしていたさすがの私も、少しオバマが可哀想になってきた。「可哀想なオバマ」を演出するのも、また、大統領選挙というドラマの中の筋書きの一部とはいえ、白人とアフリカ人のハーフとして生まれ、父親とは2歳の頃に別れ、母親は別の男性と再婚し、その後、白人の祖父母に育てられたオバマの半生を思うと、人種にまつわる問題というのは、彼にとって最大の傷口ではないかと思うからだ。


これはハーフでないと分からないことかもしれないが、ハーフ達はほとんど皆、十代後半ごろになると「アイデンティティー・クライシス(アイデンディティーの危機)」というものに襲われる。「自分とは何者か、何人か」という疑問に襲われるのだ。。「自分はハーフだからひとつの文化だけでは半人前。両方の文化を知って、はじめて一人前」というのが一般的なハーフの人達のメンタリティーだ。


特にオバマのように父親の顔さえ覚えておらず、その父親は妻とオバマを”捨てて”、別のアメリカ人白人女性と再婚し、後にハーバード大で博士号を取得、祖国・ケニアで政府高官に。そしてある日、突然、交通事故で亡くなったとくると、余計に「自分の全く知らない、もうひとつの父親の方の文化を知りたい」と思うのは当然の話。そこで、彼が有名なテレビ司会者であり、実業家でもあるオプラ・ウィンフリーに紹介されて、アフリカへの回帰色が特に強い、シカゴの黒人教会の信者になったということは十分理解できる話である。


ライト師のような説教は、ベイエリアの黒人教会で何回も私自身も聞いているもの。あのような発言は、黒人側から見た白人アメリカの真実であり、極めて正しいことを言っていると私は思っている。


白人によって散々痛めつけられてきた黒人達であるが、それでもかろうじて守り続けてきた伝統文化がある。それが、宗教、音楽(ダンス)、食文化だ。


これらの文化は奴隷制度という隔離され、抑圧された社会的状況の中で生み出されたものであり、アフリカ文化を土台としながらも、ヨーロッパ、西インド諸島、アメリカ原住民(先住民)=アメリカ・インディアンの文化が融合されたものであった。かつて、「奴隷文化」とも呼ばれ、250年間は奴隷居住区において、後の100年間は大都市の黒人スラム街や南部の農村において、白人アメリカ社会から疎外された黒人たちが、自らの魂の叫びを込めて、世代から世代へと継承してきたものである。この中でも特に宗教と音楽は切っても切り離せないもので、教会のコーラス隊やバンドから多くのスター達が生まれていったことからしても、そのことは分かる(MC ハマーはオークランドの教会の牧師からラッパーになり、現在は音楽活動を辞めて、また同じ教会の牧師をやっているし、”チョッパー奏法”の元祖、ベーシストのラリー・グラハムもオークランドにあるセブンスデイ・アドヴァンティスト派の教会の牧師だった。現在はジャマイカに住んで、音楽活動を行っている)。


黒人が宗教へ傾倒する率は、若い世代の教会離れがあるとは言うものの、白人に比べるとはるかに高い。2004年度の調査によれば、黒人の約79%が教会の会員で(白人は69%)、毎週1回、礼拝に行っている人は黒人が45%、白人40%となっている。


なぜ黒人にとって教会はかくも大切なものか。それは、アメリカという白人中心社会において、黒人教会(黒人イスラム教寺院も含む)こそが、搾取され、疎外された黒人たちにとって、「もうひとつの社会」であり、「もうひとつの国」であるからだ。この中では人々は平等であり、相互扶助の下に生きている。そして、黒人としての誇りやアイデンティティーも自由に伸ばしていくことができるからだ。


黒人教会は黒人文化のセンターである。かつて西アフリカに住んでいた祖先たちが、宗教・音楽・ダンスを日常生活の中で一体化させて暮らしていたように、部族共同体を作り、相互扶助の精神で暮らしていたように、黒人たちは黒人教会という「社会的・文化的装置」を中心とした黒人コミュニティーの中で、これらを継承しているのである。会員同士の仕事の斡旋、青少年の放課後クラブ活動、会員への金銭的援助(募金による)、カウンセリングなど、さまざまな活動を黒人教会は行っているのだ。


黒人教会の特徴


1.音楽のしめる割合が高い

2.説教者(牧師)と会衆との呼応形式によるやり方をする

3.説教者は音楽的、即興的、リズミカルな話し方をする(ダンスをするように大きなジェスチャーを入れて、バンドにあわせダンスをするかのような話し方をする場合もある。見ているだけでも楽しい)


黒人教会にも色々なセクト(宗派)があるが(ここでは割愛)、特にペンテコースト派や南部バプティスト派では、これらの傾向が著しく強く、音楽・説教共に大変熱狂的。牧師はジェームス・ブラウン張りにファンキーに、リズムに乗って、熱弁をふるい、会衆たちはタンバリンをたたき、ダンスをしたりしながら、精霊を感じ、恍惚感に浸るのである。それはまるでシャーマンの降霊式のような様相である。曲も賛美歌にとらわれない自由なものが多く、普通のエレキギター、ドラムス、ベース、キーボードといったバンドがガンガン、音楽を演奏する(その辺の日本のプロ・バンドなんかより、数倍うまい)。


そして飾られている絵は、勿論、「黒人のキリスト像」である。


黒人キリスト教の内面的特徴


黒人たちにとって、キリスト教徒は支配者・白人の宗教であり、自分たちを奴隷という身分に縛りつけるための道具であった。それにも関わらず、奴隷制度が廃止されて約140年余りを経た現在でも、なお、79%もの人々が、キリスト教の信者である。音楽と密接に結びついた礼拝のやり方は確かに西アフリカ的だが、教義の点では白人の物とどう違うのか。


黒人キリスト教も白人キリスト教も、神がナザレのイエスを通して黙示したことを信義としている点では変わりないが、その解釈については、かなり相違がある。「黒人キリスト教」をあえて「黒人神学」として、その特徴を挙げると、次のようになる。


1.聖と俗の二元論がなく、包括的

2.自由への希求が中心的思想

3.旧約聖書における神像への共感

4.受難死したイエス・キリストへの自己投影


二元論ではなく、包括的というところは、アジアの価値観とも共通するもの。これは、アジアーアフリカ的価値観として、今後は行き詰まった西欧の二元論的価値観に取って代わるものだといわれている。



このように黒人教会は、黒人にとってなくてはならない心のよりどころとなる場所であるし、白人支配の国の中で唯一の「黒人解放区」の場所でもある。それなのに、どういうルートでライト師の映像を入手したのか知らないが、”秘密”であるべき、教会内での説教を、こういう形でテレビで流し、「人種差別主義者の牧師」とかいって、白人コメンテイターが興奮して喋っているのを見ると、「1千万とも2千万とも言われているアフリカ人の奴隷貿易を行ったのはどこのどいつだ!?」との疑問のひとつも投げかけたくなる。

しかしながら、時期が時期だけに、オバマも元牧師の発言には神経質になっており、「もしテレビで報道されたようなことをライト師が言ったのなら、大変ショックだ」と述べた後、18日には、人種問題について彼の見解を発表するそうだ。





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