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第2の「日米構造協議」:OECD対日経済審査報告書と新自由主義の復活

(by こげぱん)


先日発表された「OECD対日経済審査報告書」にて、OECDが日本の財政再建のため消費税率を20%まで引き上げるよう勧告したことが伝えられている(注1)。

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消費税20%も・引き上げのチャンス…OECD
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20110421-OYT1T00806.htm

 経済協力開発機構(OECD)は21日、日本経済について分析・提言する「対日経済審査報告書」を発表した。

 「財政状況は極めて厳しい」と強調したうえで、財政健全化のため、「消費税率は20%相当まで引き上げることが求められるかも知れない」と指摘した。消費税を中心とした税制改革を早期に行う必要があるとの認識を示した内容だ。(後略)
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OECD「対日経済審査報告書」は、性懲りなく増税に前向きな菅-与謝野ラインや自滅党・財界には諸手を上げて歓迎されるかもしれないが、それにしても震災後日本の景気は業種を問わず急激に冷え込み、今後も一直線の大幅悪化が見込まれるとされる中、
http://www.metro.tokyo.jp/INET/CHOUSA/2011/04/60l4k300.htm

たとえば下賎な箱物公共工事中止や公務員給与カット、怪しげな外郭団体削減などの手立てを講ずることなく消費税率を性急に引き上げることが日本経済にどのような悪影響を及ぼすか、日本は橋本内閣時代の消費増税で塗炭の苦しみを体験し、またイギリスでも同じような前例があるはずだが(注2)、OECDや日本の癌、財界自滅党もそのようなことはお構い無しらしい。

また「対日経済審査報告書」には財政再建の他に、・金融政策 ・新成長戦略 ・教育改革 ・労働市場改革 という5本の柱からなる諸提言が盛り込まれているが、新成長戦略一つとってもサービス分野(注:弁護士などの専門サービス)における規制緩和、混合医療・介護サービス縮小、(公的支援に代わる)中小企業向けリスクマネー供給促進に郵政民営化断行、果てはTPP参加などどこかで見かけたような提言が並べられているが、これは日本に新自由主義を持ち込んだ「日米構造協議(Strategic Impediment Initiative)」の焼き直しそのものではないか。


・社会民主主義「第2の敗戦」と新自由主義の復活

OECD対日経済審査報告書は新自由主義そのものの提言集であるが、世界的にみても2008年リーマンショック以降オバマ政権や民主党・鳩山政権誕生などで一時的に神通力を失った感のあった新自由主義が、2010年代になってアメリカ・ティーパーティーの台頭、菅政権やイギリス・キャメロン政権の変節などにより、その影響力を急速に盛り返しつつある。

この新自由主義「復活」とその帰結を、ブレーメン大学・ニューメラー(Frank Nullmeier)教授が、「(社会民主主義)失敗後の世界:第2期新自由主義の幕開け」と題した論文に要約している。

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After Failure: A Second Stage of Neoliberalism
http://www.social-europe.eu/2011/04/after-failure-a-second-stage-of-neoliberalism/

08/04/2011 By Frank Nullmeier
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ニューメラー教授によると、レーガン・サッチャーに代表される1980年代の新自由主義は投票箱で生まれ、エリート層のみならず(構造改革による生活水準向上を期待した)多数の中間層を魅了したが、2010年代の新自由主義は(そもそも新自由主義の無残な帰結であるはずの)リーマンショックからの出口戦略失敗(とそれに伴う恐慌)から生まれ、そのため民衆に窮乏政策(Austerity)を強要し、また(恐慌期にしばしば見られる)憎悪や不寛容・反自由主義に拠って立つため、従来の民主主義では当然の如く享受されてきた自由・自決・自治などの諸概念は葬り去られる、と指摘している。

建前上は民主主義国家であった戦後日本において、自由・自決・自治などの諸概念が存在してしたかどうかは怪しいとはいえ、震災復興を優先させなければならない日本で憎悪や不寛容・反自由主義に基づく政治(残念ながら日本でもたとえばネット規制などの形をとってすでに導入が始まっている)や、消費増税に代表される新成長政策という名の窮乏政策を主張するOECD対日経済審査報告書を無批判に受け入れていいものかよほど慎重に考えないと、震災復興という名目での火事場泥棒を許すことになりかねない。

(注1)OECD「対日経済審査報告書」
http://www.oecd.org/dataoecd/6/5/47651437.pdf

(注2)WSJとオバマの痴愚神礼賛:「資本主義が炭鉱労働者を救った」!?
http://ameblo.jp/sunshine-berkeley/entry-10683022170.html

(おまけ)アメリカを葬る(mourning)ロナルド・レーガン(Huffington Post)
http://i.huffpost.com/gadgets/slideshows/20460/slide_20460_266427_large.jpg?1303482922420

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