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WSJとオバマの痴愚神礼賛:「資本主義が炭鉱労働者を救った」!?

(by こげぱん)


世界中に感動を呼び起こしたチリ鉱山の救出作戦から、早1週間。このところ暗いニュース続きだけだっただけに、地下に閉じ込められた鉱山労働者全員救出という快挙はひときわ輝いて見えたが、一見平静を取り戻した現地では、救出された労働者が「英雄」となる反面、鉱山事故により解雇された労働者の失業問題が深刻化していることが伝えられている。

この事故で報じられた、現地鉱山でのすさんな安全管理や労働者の待遇などに資本主義の負の側面のようなものを感じたのは筆者一人だけの感慨ではないかもしれないが、反面「金融資本主義のプラウダ」ことロバート・マードック率いるWSJは、「資本主義が炭鉱労働者を救った」と太平楽を並べている。

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Capitalism Saved the Miners
http://online.wsj.com/article/SB10001424052748703673604575550322091167574.html

* OCTOBER 14, 2010
The profit = innovation dynamic was everywhere at the mine rescue site.
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このWSJ社説では、一昔なら全員死亡していたに違いない鉱山労働者を救ったのは、世界的競争に揉まれて技術力を磨いてきた世界的企業の製品であるとし、イノベーションが利益を生む好循環を賛美し、2年前にCHANGEを掲げて彗星のごとく登場したはずのオバマの痴愚神、じゃなかった市場礼賛を引用して、アメリカの「新しい経済モデル」が企業家によるイノベーションを惹起して、アメリカ人をリーマンショック以降の経済苦境から救い出す-あたかもチリ鉱山労働者のごとく-ことを期待して結んでいる。

高らかに市場礼賛を繰り返すマードックやWSJには申し訳ないが、これまで世界的成功を収めてきたアメリカ企業の中には-たとえばMicro$oft社など-、利潤をイノベーションに昇華させることもなく、「資本主義は、成功ゆえに巨大企業を生み出し、それが官僚的になって活力を失い、社会主義へ移行していく」というシュンペーター理論そのままの醜態をさらしているように見える企業も散見されるように思え、またアメリカ経済界を代弁し、オバマ政権に影響力があるとされるシンクタンク・Peterson Instituteが、市場万能論に反するようにさらなる景気刺激策や通貨安政策などを要求しているところを見れば、イノベーションどころではなくなった? 金融資本主義で疲弊しきったアメリカ経済空洞化の深刻さが窺える。

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The Dangers of Insufficient Stimulus
http://www.iie.com/realtime/?p=1760

by Adam S. Posen | October 6th, 2010 | 11:57 am

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The Dollar and the Deficits: How Washington Can Prevent the Next Crisis
http://www.iie.com/publications/papers/paper.cfm?ResearchID=1312

by C. Fred Bergsten, Peterson Institute for International Economics | November 2009
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また金融資本主義に酔い痴れ、国内産業が空洞化してWSJが言う「新しい経済モデル」を構築するどころではなくなったアメリカを待ち受けるのは、持続不可能な景気刺激策の果てに訪れる窮乏生活である、と予測するフランスのシンクタンク・Leap2020のレポートもある。

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GEAB N°47 is available! The Global systemic crisis -- Spring 2011: Welcome to the United States of Austerity / Towards a very serious breakdown of the world economic and financial system
http://www.leap2020.eu/GEAB-N-47-is-available-The-Global-systemic-crisis-Spring-2011-Welcome-to-the-United-States-of-Austerity-Towards-a-very_a5168.html
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上記LEAP2020のレポートは、アメリカはリセッションから抜け出すことはなく、それどころか(アメリカ中間選挙後)向こう数ヶ月の間にアメリカをはじめ世界経済はアメリカ発の超大恐慌という闇や経済・社会的混乱に覆われ、栄光のアメリカ合衆国は「貧困合衆国United States of Austerity」と化す、と予測している。

すでにイギリスなど欧州各国では、空前の緊縮政策で「貧困合衆国」化が静かに始まっているようにも見えるが、

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Spending review 2010: living with the cuts
http://www.guardian.co.uk/politics/2010/oct/19/spending-review-2010-cuts-britain

Tomorrow George Osborne will finally set out his plans to slash £83bn from government spending. John Harris talked to those who have already felt the sharp blade of the axe
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それでもWSJ記事にあるように、今なお「市場に対する盲目の信頼こそが、アメリカ人の自活やアメリカ繁栄の礎」と語るオバマの痴愚神礼賛は、いささか空しく聞こえる。


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(コメント by sunshine)

■ピンボケもいいとこ。まともな英語も使えないとは、米・ジャーナリストの劣化も嘆かわしい

私もこの記事を読んだ時、ミス・スペリングではないかと思ったほどでした。"Modern Technology "なら分かるけど、”Capitalism"ですからねえ、これはピンボケもいいとこですよ。

チリの炭鉱労働者33名を救ったのは、確かにアメリカ・ペンシルベニア州ベルリンのCenter Rock Inc.の技師達と同州ウェスト・チェスターにあるShramm Inc.社製のドリルであり、これらの緊急プロジェクト・チームを総指揮したのはNASAですが、これをもって、「資本主義が炭鉱労働者を救った」などというようでは、これはもうアメリカのジャーナリストも日本同様、劣化の一途をたどっているとしか言いようがないですね(笑)。

http://www.nasa.gov/news/cragg.html

NASA Engineer Helps Chilean Miners


http://www.asiantribune.com/news/2010/10/15/us-expertise-drilling-and-nasa-aided-design-saved-trapped-chilean-miners
U.S. expertise in drilling and a NASA-aided design Saved trapped Chilean miners

http://www.aolnews.com/world/article/to-design-miners-escape-pod-nasa-thought-small/19667140

To Design Miners' Escape Pod, NASA Thought Small

http://www.pittsburghlive.com/x/pittsburghtrib/news/cityregion/s_698842.html
Center Rock trio join Chile mine rescue

http://www.nydailynews.com/news/national/2010/10/14/2010-10-14_tiny_slice_of_heaven_us_firm_rejoices_over_its_key_role_in_chile_rescue.html
U.S. firm Schramm Inc. rejoices over its key role in miraculous rescue of 33 Chilean miners


チリといえば、チェ・ゲバラの青春時代を描いた映画「Motorcycle Diaries」で、ゲバラがオートバイに乗ってアルゼンチンから南米大陸横断の旅に出た際、チリで出会った労働者夫婦が銅鉱山での仕事に応募するということで付いて行ったところから、炭鉱労働者のおかれた人間とは思えない過酷な生活にショックを受け、社会主義革命に目覚めるというシーンを思い出しました。

http://www.imdb.com/title/tt0318462/


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(Response by こげぱん)

■チリ・炭鉱労働者化する? 先進国中低所得層


Sunshineさんご指摘のチリ・炭鉱労働者の悲惨な環境は、このたびの事件で明らかになりましたが、上記拙稿でも少し触れた通り、西欧先進国・イギリスでも、空前の緊縮財政策が中低所得層を直撃しようとしています。

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Spending review axe falls on the poor
http://www.guardian.co.uk/politics/2010/oct/20/spending-cuts-george-osborne-axe?intcmp=239


George Osborne claims sweeping cuts will take the country back from the brink of bankruptcy
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上記Guardian記事によると、マーガレット・サッチャーの流れを汲む新自由主義者とされるオズボーン財務相は、超緊縮財政で「イギリスを破産の淵から救う」と主張していますが、反面The Independent社説は、イギリスで1918年に採用された超緊縮財政は失業率を6%から19%に引き上げ、肝心の国家債務は対GDP比114%から180%へと悪化したことを指摘し、新自由主義は世界中いたるところですでに破綻していることや、リーマンショック後に大規模な景気刺激策を実行した韓国がいち早く景気回復したことなどを挙げ、恐慌期に政府までが財布のヒモを締めれば、(総)需要が縮小して経済破綻をきたすと主張して、オズボーンの緊縮財政を厳しく批判しています。

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Johann Hari: A colder, crueller country -- for no gain
http://www.independent.co.uk/opinion/commentators/johann-hari/johann-hari-a-colder-crueller-country-ndash-for-no-gain-2112069.html


Cameron has revealed that his baby sleeps in a cardboard box decorated by her big sister. Thanks to him, a lot more people are going to be sleeping in cardboard boxes
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またこちらもSunshineさんのご指摘にあるように、サッチャーに先駆けること6年、1973年に世界で始めて新自由主義を採用したのがチリ・ピノチェト政権ですが、当時奇跡の経済成長を謳歌したように見えるチリでも、景気回復が本格化したのは1982年にピノチェトが「シカゴ・ボーイズ」を追放し、前任者・アジェンデが一度採用した基幹産業国有化を再度実施してから、という笑えない前例もあります。

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Chile under Pinochet
http://en.wikipedia.org/wiki/Chile_under_Pinochet


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そのピノチェトが天寿を全うした時に、病床で真先に弔意を示したのがサッチャーであるところを見ても、シカゴを源流とする両者の親密な関係が明らかですが、

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Pinochet dies at 91, mourned by Thatcher
http://www.telegraph.co.uk/news/worldnews/1536622/Pinochet-dies-at-91-mourned-by-Thatcher.html


By Toby Helm
Published: 12:01AM GMT 11 Dec 2006
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今日サッチャーチルドレンが実行しようとしている「極端な経済政策」という「ギャンブル」が、イギリスの中低所得層をチリ炭鉱労働者のような悲惨な境遇に陥れないか、はたまた反体制派を容赦なく弾圧したピノチェト政権下のチリの如く、思想的にも「厳格Austerity」を要求されることにならないか、懸念されます。

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またこちらもSunshineさんのご指摘にあるように、サッチャーに先駆けること6年、1973年に世界で始めて新自由主義を採用したのがチリ・ピノチェト政権ですが、当時奇跡の経済成長を謳歌したように見えるチリでも、景気回復が本格化したのは1982年にピノチェトが「シカゴ・ボーイズ」を追放し、前任者・アジェンデが一度採用した基幹産業国有化を再度実施してから、という笑えない前例もあります。



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Chile under Pinochet

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