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農業分野の「リスボン条約」? 世界食糧サミットと日本農政の迷走

(by こげぱん)

20世紀を代表する「戦略家」・キッシンジャーがかつてローマでの第1回世界食糧サミットで「今後10年以内に、子供の飢えを絶滅する」と高らかに宣言してから早35年、

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http://www.economist.com/opinion/displaystory.cfm?story_id=14915144

Food and agriculture
How to feed the world

Nov 19th 2009
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今日の食糧事情はとてもそのようなものではなく、終わりなき恐慌や投機資金流入による食糧高騰で、途上国の子供だけでなく、今や「世界最強国家」アメリカでも、国民の6人に1人、5000万人(!)が満足な食事にありつけない、という惨状を呈している。

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http://www.globalresearch.ca/index.php?context=va&aid=16168
Rising Poverty, Widespread Unemployment: America's Economic Pain Brings
Hunger Pangs

USDA report on access to food 'unsettling,' Obama says

by Amy Goldstein
Global Research, November 19, 2009
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そのような食糧事情の下、今月国連食糧農業機関FAOが「世界食料サミット」を開催して、あたかも農業分野における「リスボン条約」にも見えるような国際機関強化と国際協調を謳い上げている。

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http://www.fao.org/fileadmin/templates/wsfs/Summit/Docs/Final_Declaration/WSFS09_Declaration.pdf

Principle 1: Invest in country-owned plans, aimed at channelling resources to welldesigned and results-based programmes and partnerships.

原則1:国家(単位)の(食糧)計画と、多国間協力のシームレスな連携

Principle 2: Foster strategic coordination at national, regional and global level to improve governance, promote better allocation of resources, avoid duplication of efforts and identify response-gaps.

原則2:世界的レベルでの農業資源調整


Principle 3: Strive for a comprehensive twin-track approach to food security that consists of: 1) direct action to immediately tackle hunger for the most vulnerable and 2) mediumand long-term sustainable agricultural, food security, nutrition and rural development programmes to eliminate the root causes of hunger and poverty, including through the progressive realization of the right to adequate food.

原則3:中長期的に持続可能な食糧安全保障プログラムの確立と飢饉の克服

Principle 4: Ensure a strong role for the multilateral system by sustained improvements in efficiency, responsiveness, coordination and effectiveness of multilateral institutions.

原則4:国際機関の強化と役割拡大

Principle 5: Ensure sustained and substantial commitment by all partners to investment in agriculture and food security and nutrition, with provision of necessary resources in a timely and reliable fashion, aimed at multi-year plans and programmes.


原則5:関係各国の中長期的なコミットメント
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このステートメントや(食糧自給戦略や反市場主義を非難している)上記The Economist記事を読む限りでは、今後の食糧安全保障は国家単位の自給自足では なく、FAOのような国際機構のイニシアティブの下での国際協調に移行していくように見える。

他国に食料を依存することの危険性は、先年の狂牛病騒ぎや中国毒餃子事件、あるいは近年の投機資金流入による食糧高騰などを見ても明らかなように思えるが、たとえば投機資金や多国籍企業への規制に言及しないままの国際協調がどのような結果をもたらすかは、図らずも上記Global Research記事が暗示しているように思える。

かつて国際協調路線を先取りして、減反政策などの愚策を繰り返した自滅(・公明連立)政権時代の農政のツケで、今や地方の水田は次々と耕作放棄地や道路、あるいは大規模量販店と化し、美しき豊葦原瑞穂の国は今や山河までボロボロに破れてしまったかのような惨状を呈しているが、政権交代を成し遂げたはずの豊葦原瑞穂の国では、今も尚新自由主義者が大手を振って歩き、事業仕分けと称して休耕田再生事業まで棚上げしてしまっている。

「事業仕分け」で、費用対効果の乏しいダムや道路、空港などを抜本的に見直すのは悪いことではないし、また新手のパンとサーカスたる高速道路無料化などはいくら後回しにしてもかまわない-せいぜい深夜半額割引くらいにとどめておくのが望ましいと思われる-が、休耕田再生事業は日本農業再生のきっかけとなるだけではなく、旧来の箱物行政見直しであぶれる雇用の受け皿ともなりうる事業だけに極めて残念なことであり、日本の食糧安全保障に暗い影を落としかねない。

現在際限なく進むドル安の裏で、投機資金移動による食糧高騰が静かに始まっているだけになお、農業分野へのさらなる市場原理導入や多国間協調、さらには日本農業の迷走には、深い懸念を覚えざるを得ない。

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(コメント by sunshine)

■「兵糧攻め」にあってはならない


そもそも世界一の農業国であるアメリカに飢えた人々がいるということ自体に政治の貧困、行き過ぎた資本主義の暴走ということを感じざるを得ない。

世界の食料輸出国トップ10
http://www.mapsofworld.com/world-top-ten/world-top-ten-agricultural-exporters-map.html


しかしながらアメリカの農業従事者は国民のわずか2%弱。このうち半分が実際に農作業を行っているのみ。
http://www.epa.gov/oecaagct/ag101/demographics.html


一方、食料関係企業の世界ランキングトップ10をみると、下記のように10位中半分以上がアメリカに本拠を構える企業(1位のネッスルはスイスに本拠を構える多国籍企業だが、薬ビジネスといい、食料ビジネスといい、ちゃんと人間生活における急所、急所の利権だけはしっかりと押さえているところがさすが“スイス”といったところか・・笑)。
http://seekingalpha.com/article/102103-the-top-10-global-food-producers-an-overview


(乳製品関係の世界トップ20には日本の企業も2社入っている)。
http://www.danishdairyboard.dk/smcms/danishdairyboard_dk/Facts_figures/Global_key_figures/World_s_top_20/Index.htm?ID=5160


ちなみに下記のものはアメリカ国内における昨年度の食料関係企業の売上トップ100。経済恐慌にも関わらず、食料なくして人間生活は営めないから、各社とも大体、着実に売り上げを伸ばしている。
http://www.foodprocessing.com/Media/0908/top100/FoodProcessingTop100-2009.pdf


かつてグアテマラのノーベル賞作家、ミゲル・アストゥリアス(Miguel Angel Asturias )は、「The Green Pope」という小説で、アメリカ人の主人公がグアテマラでバナナを買い占め、これをビジネスにしていく過程を書いたが、これは実際にアメリカのユナイテッド・フルーツ社(チキータのブランド名)がこの地で行ってきた事を批判的に書いたものとして有名だ(ライバル社は、ドールのブランド名を持つスタンダード・フルーツ社)。
http://nobelprize.org/nobel_prizes/literature/laureates/1967/asturias-bio.html


http://www.amazon.com/Green-Pope-Miguel-Angel-Asturias/dp/0224005871

ユナイテッド・フルーツ社についての本
http://www.amazon.com/Bananas-United-Fruit-Company-Shaped/dp/1847671942/ref=pd_sim_b_1


自国の食料を外国企業に乗っ取られ、そのため国民は飢え上がり、にっちもさっちもいかなくなってIMFや世界銀行から金を借り、その結果国の財政は行き詰まりといった「負のサイクル」に陥ってしまった国は中南米の例だけではないだろう。

「食料の国際協調」と言えば聞こえはいいが、実は食料の「新世界秩序」ではあるまいか。いくつかのトップ企業が世界の市場を完全にコントロールするという・・。


民主党のやっていることはよく知らないが、のらりくらりと枝葉末節の予算削減パフォーマンスばかりやっていないで、もっと物事の本質を把握して、そこを基軸に予算割をしていくという方法をとったらどうか。

「チェンジ」をキーワードに政権を取ったはいいが、実は中身空っぽの張り子のトラ。「愚民を何となくそのムードで包みこんだだけだった」ということではないよう祈っている。




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