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何気に不安な民主党マニフェスト2~ただほど高いものはない?

(by こげぱん)


先の拙稿に対するsunshineさん、ウソ捏造工場さんからのレスを受け、走り書きで民主党マニフェストにある高速道路無料化に潜むリスクを少し書いてみましたが、長くなってしまったので記事にします。


#とは言っても、こんなこと書くとまた嫌われ者になりそうですが…

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・海運・空運業への悪影響が大きい

日本は島国かつ貿易立国であり、海運・空運業は不可欠な基幹産業であるが、高速道路無料化はその基幹産業(たとえばJAL/ANAは売り上げの45%前後を国内に依存)の収益基盤を毀損し、多大なダメージを与える可能性がある。またこれはすでに言い尽くされていることではあるが、フェリー衰退は即離島切捨てに直結する。

・高速道路会社の経営が(補助金なしでは)立ち行かなくなる可能性がある

たとえば西日本高速道路の2009年3月決算情報にある「セグメント情報」を見ると、売り上げの90%近くを高速道路事業から賄っており-しかもその大半が賃借料や売上原価、管理費などで消える-、高速道路を無料化すれば経営が成立しなくなるであろうことが窺える。
http://corp.w-nexco.co.jp/ir/settlement/h21_03/pdfs/h21_0609a.pdf

もちろん補助金を投入すればこの問題は解決するが(ただし西日本高速道路1社の高速道路事業売上だけでも7000億円)その財源を「冗費節約」や「埋蔵金」に頼る民主党マニフェストではその確保が心もとなく、最悪の場合経営難に陥った高速道路会社が減損会計を適用されたあげく二束三文でどこかに売却される、という未来図も考えられるかもしれない(国民新党マニフェストにある「無利子非課税国債」や、丹羽春喜教授の「政府紙幣発行」などの政策でも採用すれば財源問題は解決するかもしれないが、民主党はそんな気の利いた政策は採用しないでしょう、きっと)。

・高度成長期に建設された高速道路の耐用年数切れが近づいており、それに伴い近年中に発生する可能性がある多額の修繕・建て替え費用を確保する必要がある

各国の道路・橋梁耐用年数一覧表によると、各国により違いはあるものの、おおむね道路の耐用年数は20-40年程度、橋梁は40-60年程度となっている。

http://www.mlit.go.jp/road/ir/sisan/9pdf/26.pdf
http://www.mlit.go.jp/road/ir/sisan/9pdf/21.pdf
http://www.tech-center.or.jp/japanese/dobokuwiki/library/004010.pdf

もちろん耐用年数は会計上の人為的数字であり、これを過ぎたからといって即道路や橋梁が使えなくなるわけではないが、それでも近い将来耐用年数切れを迎える首都高速や阪神高速などで多額の修繕・建て替え費用が必要になる可能性があり、高速道路を無料化すれば、その財源を失うことにもなりかねない。

これを考えれば、暴論ではあるが昨年話題になったガソリン暫定税率も、税率を大幅に引き下げた上で-燃料高騰時には凍結が望ましい-、修繕・建て替え費としてプール-剰余分は横浜・神戸港や成田空港の整備・拡張費に充てる-のも一考かもしれない(もちろんその前に、そのまんま痴事ご執心の「東九州高速道路」やアクアライン、静岡空港などなどといった類のケッタイな金喰い公共投資に財源を浪費する如きの愚行は即刻中止するべきではある)。

・高速道路無料化より、消費税減税のほうが経済的波及効果が高くなる可能性がある

たとえば昨年民主党が実施した「ガソリン特別減税」での減収は2.5兆円というが、下記国税庁統計によると、消費税を1%減税した場合の減収額もほぼ同額と考えられる。

http://www.nta.go.jp/kohyo/tokei/kokuzeicho/shohi2007/pdf/shohi.pdf

それならば、車には縁のない低所得者には恩恵の及ばない高速道路無料化やガソリン特別減税より消費税減税を断行するほうが、より多くの国民に恩恵が及び、また低所得者の限界消費性向の高さによる乗数押し上げ効果が期待できることも考えれば、より効果の高い景気刺激策と言えるかもしれない。

・(高速道路無料化は)ストロー効果による地方空洞化を促進する恐れが強い

ストロー効果についてはここでは詳述しないが、高速道路無料化はストロー効果を増大させ、地方を一層疲弊させる恐れがある。


#尚参考資料として、本四架橋完成後のストロー効果をコンパクトにまとめた論考をリンクしておきます。

徳島県における小売業と購買行動の変化- 明石海峡大橋開通のインパクト -徳
島大学・豊田哲也氏
http://www.ias.tokushima-u.ac.jp/region/ajg9910/straw.html

もちろん国際的に見ても明らかに割高な日本の交通費や物流コスト引き下げには賛成だが、民主党マニフェストにあふれる「無料化」が、「角を矯めて牛を殺す」とか「ただほど高いものはない」といった結果に終わりはしないか、一抹の不安は拭えないように感じる。

尚民主党マニフェストの目玉の一つ、高校教育無償化に対しては、公立校現役教諭からこのような疑義が呈せられている。

*勉強などしない高校生に税金使いたい人はいないのでは。政策はもっと色々研究してから立てて欲しい。*
http://www.asyura2.com/07/social5/msg/355.html
投稿者 東京音頭 日時 2007 年 12 月 30 日


*なお、上記拙稿は民主党マニフェストについて書きましたが、自公政権の「1000円高速」にもあてはまります

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(コメント by sunshine)

■東日本と西日本の高速道路

なるほど高速道路問題の奥には深い話があったんですね。

ひとつ教えてください。こげぱんさんが挙げている例は西日本高速道路という会社(?)のようですが、関東では東日本高速道路だと思います。もしそうだとするとこの二つは多分、別会社だと思いますが正しいですか?

これがもし正しければ、多分、東日本高速道路は西日本高速道路に比べかなり収益が多いはずです。東日本高速道路で上げた収益は西日本高速道路に回しているのでしょうか? 私は多分、回してはいないと思いますが、そうだとすると料金を東の首都高速では無料、西日本では有料ということにすればどうですかねえ?

耐用年数の問題については、10年ぐらい前ですか、オークランド・ブリッジが真中から折れて、大変な大惨事となったこともあったりして、あの時も確か建材が古くなり、もろくなっていたというような話でした。ゆえにその方面での予算のプールも必要なことは分かりますね。

日本はカリフォルニア州程度の面積(アメリカ国土の26分の1)にアメリカ総人口の約半分が住んでいるので皆にまんべんなく仕事を与えるということが第一優先事項ですね。それでフェリー、その他の高速道路と競合しそうな業界にも配慮した上で高速道路の料金問題をきめなければならないという点についてはよく分かりました。

確かにただやみくもに無料にすれば良しといった問題でもないですね。

また高校までの義務教育についてですが、カリフォルニア州は幼稚園から高校まで授業料は完全無料です。ただ御存じのように州財政の大幅赤字により、教職員や公立学校への大幅予算削減が行われています。民主党の”パッチワーク・マニフェスト”については、また後日。

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(レス by こげぱん)

■日本の民営高速道路会社について

日本の民営高速道路会社は東日本(東北・北海道)、中日本(関東・東海)、西日本の3社体制(ほかに首都高速、阪神高速会社などがある)になっており、たとえば関東地域の中日本会社や首都高速会社の高速道路事業売上を調べたら、西日本とさして変わらない7500億円程度、首都高速は3000億程度で、その大半が必要経費に消え、(売上高)営業利益率はせいぜい1%ちょいというところまで西日本会社とそっくりです。

http://www.c-nexco.co.jp/corp/ir/pdf/09kessan.pdf

http://www.shutoko.jp/company/ir/financial/document/securities_4.pdf

上記両者の有価証券報告書を一読した限りでは、各会社間での資金融通に関する記述はなさそうで、上記データから考えてもその可能性はなさそうです。

あと都市部を離れれば原野を走ることも多いアメリカのInterstate(フリーウェイ)と違い、日本の高速道路は多額の建設・維持費がかさむため、その点からもアメリカと日本を同列に論ずるのは困難ではないか、と考えます。


#それでも渋谷から環状線までの所要時間が、下を走るR246と変わらない首都高架駐車場や、高速料金高止まりの一因となっている不要不急の高速道路-アクアラインなど-の存在は腹立たしい限りで、いっそのこと無料化してしまえ、というお二方のご意見には、心情的には賛成したくなることもありますが^^;;

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(レス by sunshine)

■オークランド・ベイ・ブリッジについて訂正とお詫び

訂正です。上記私のコメント中、「10年ぐらい前ですか、オークランド・ブリッジが真中から折れて、大変な大惨事となったこともあったりして、あの時も確か建材が古くなり、もろくなっていたというような話でした」という記述がありますが、これは間違いでした。

オークランド・ベイ・ブリッジが折れたのは1989年の大地震の時で、あと2007年に大型石油タンカーが原油漏れ事故を起こした際、オークランド・ベイ・ブリッジ付近のフリーウェーが破壊されたというのが正しいです。お詫びして訂正します。

http://en.wikipedia.org/wiki/San_Francisco_%E2%80%93_Oakland_Bay_Bridge

http://www.foxnews.com/story/0,2933,269118,00.html

さて高速道路の中日本会社、首都高、西日本の営業利益がさして変わらないという点についてですが、意地悪な見方をすれば、もしかしてそのように数字合わせをやったのかなとも思ったりしますが(アメリカの会社など平気でそんなことをやるから)、そんなことはないのでしょうか(笑)


または土建屋と高速道路会社、政治家との癒着の構造があって、土建屋に儲けさせているとか(笑) この辺になると素人では全く分かりませんね。でも補修費のプールが必要ということは確かですね。

また高校までの無料教育費については、どうなんでしょう。学校の勉強だけが高校生活ではあるまいし、仲間とぶらぶらしながら生活する中にも得るものは大きい場合もあります。生活苦のため高校を中途退学するような人も増えている中で、無料化は良いことだと思いますけどね。ただし授業に出ない生徒や、一定のレベルに達しない生徒は退学させるというような決まりを作ればどうでしょうか。財源となると、カリフォルニアの二の舞は避けてほしいですがね。





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