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イスラエルの「スターリングラード」? ガザ侵攻/フランスのシンクタンクがイスラエル滅亡を予測

(by こげばん)


オバマ政権誕生の熱気と「CHANGE」への期待とともに暮れようとしていた2008年末だが、先月のインド・ムンバイテロに引き続き、そのユーフォリアに冷や水を浴びせるような、「ここ10年間無かったような規模の」軍事作戦をイスラエルが開始した。

現在オバマ政権誕生で、アメリカ-イスラエルの「特別な関係」が今後どのように変化するか注目されているところだが、イラン空爆に反対し、かつパレスチナ国家樹立に賛成している、(イスラエルと距離を置いているとみなされている)オバマの非公式外交アドバイザー・ブレジンスキーですら、下記IHT論文で「パレスチナ国家の非武装化・イスラエルの安全を保障するためのNATO(軍)の駐留」や「パレスチナ難民のイスラエル領への帰還禁止」などを主張しているところを見ると、たとえオバマ政権であろうとも、「この程度」の軍事作戦なら「イスラエルの安全保障」などの見地から追認するであろうことは容易に想像できる。

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http://www.iht.com/articles/2008/12/16/opinion/YEbrzezinski.php

The global political awakening
By Zbigniew Brzezinski
Published: December 16, 2008
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イスラエルのガザ空爆の目的は、ガザ地区のハマスを一気にたたくことで(アメリカ政権交代前に)孤立・弱体化させて、(イスラエル国防軍の威信を大きく毀損した)2006年の対ヒズボラ戦争の二の轍を踏まないよう、有利な条件で停戦・和平に持ち込むことではないかと個人的には推測しているが、毎度同じような軍事作戦を繰り返すイスラエルが、今回も数次の中東戦争同様の成功を収めることが出来るか、あるいは2006年の失敗を繰り返すか、現時点では予断を許さない。

さて2006年レバノン戦争の失敗直後、フランスのシンクタンク・LEAP/Europe2020が、近い将来イスラエル国家が滅亡するか、あるいは大胆な政策変更を余儀なくされるであろうことを予測している。

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http://www.europe2020.org/spip.php?article229&lang=en

ISRAEL 2020: Two scenarios at the heart of Israel’s future
Abstract GEAB N°7
16/09/2006
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上記LEAP/Europe2020論文によると、イスラエルがこのままの政策を継続すれば、近い将来イスラエル国家は滅亡して、ユダヤ人はアラブ人の大海の中で身を縮めて暮らすことを余儀なくされるとし、イスラエルが国家として存続していくためには大胆な政策転換でアラブ諸国と共存を図る必要があると指摘して、その根拠として以下の7要因をあげている。

1.イスラエル武力誇示戦術の陳腐化
2.イスラエル軍「優位」の崩壊
3.(中東問題をイスラエルに有利なように)一方的に解決するという戦略の破綻
4.「(イスラエルの)敵」の軍事・戦略能力が近年強化されつつある
5.アメリカのイスラエル支持が今後長期的に続くか不透明になりつつある
6.中東での欧州連合の一貫した影響力増大(=アメリカの影響力低下)
7.イスラエル-パレスチナ対立が、中東大戦に発展する可能性

これまで中東諸国を畏怖させてきたイスラエル国防軍の戦術といえば、彼らの仇敵・ドイツ軍の衣鉢を継いだのではとも思える航空・戦車一体の電撃作戦だが、電撃作戦が人口密集市街地では通用しにくいことを、ドイツはスターリングラードで、アメリカはバクダッドで、そしてイスラエルは南レバノンで証明してしまった。

今回のガザ侵攻作戦が今後どのように展開するか現時点では確言できないが、少なくともイスラム圏の反イスラエル感情をさらに高めることも厭わないという、イスラエルが極めて危険な賭けに出たことは間違いない。

ガザがスターリングラードや南レバノンになり、窮地に陥ったイスラエルがアメリカなどを誘い込む前に真の意味で停戦が実現することを、またイスラエルが大胆かつ賢明な政策転換することを、そして日本が変に巻き込まれないように、切に願っている。

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(コメント by sunshine)

■早速、イラン・ハメネイ師が「全世界のイスラム教徒よ、団結せよと」呼び掛け


12月29日付け、英「ガーディアン」によるとイスラエルは6ヶ月前から今回の攻撃計画を立てていたようで、なぜこのタイミングかという点がポイントですが、「ガーディアン」は、「オバマ就任の3週間前にこれを決行したということは、イスラエルがアメリカから自動的に支援を受けられる最後のチャンスであるからかもしれないからか」などと抜かしています。


オバマに加担してきた欧米マスメディアは、どこまで欺瞞的なプロパガンダを流し続けるつもりでしょうか。オバマは大統領予備選の頃はパレスチナへの理解を示していましたが、本選になると「イスラエルの独立を守り抜く」との姿勢を強調し、ユダヤ社会の信任を取り付けたわけで、この記事はオバマの矛盾した姿勢をカバーするかのような論調ではありませんか。

http://www.guardian.co.uk/world/2008/dec/29/israel-attack-hamas-preparations-repercussions
Six months of secret planning - then Israel moves against Hamas

下手をすれば中東大戦争になるかもしれないとのLEAP/Europe2020の指摘については、過去にも「アメリカがイラン攻撃か」との記事で少し予測が外れたことがあったという経緯はありますが、しかし、この可能性は否定できないとの見方が多いようです。

早速、12月29日付けのイランの英字紙「テヘラン・タイムス」にイランの最高宗教指導者・ハメネイ師がイスラエルを激しく非難、「パレスチナ人戦士達、イスラム世界や自由を求める国々、学者達、文化人・知識人達、そしてイスラム世界のメディア達、全世界のこれらのすべての者達よ、シオニスト国家の犯してきた悪罪に対して、今こそ徹底抗戦するべき義務があるぞ」と檄を飛ばしたそう。

そしてひたすらだまり続けているアラブ諸国のリーダー達に対して、「今回のイスラエルの攻撃は、全世界のすべてのイスラム教徒や良識ある人々にとって非常に憂慮すべき大惨事であるが、しかしそれ以上に由々しき大惨事は、イスラム教徒であるにも関わらず、ひたすら押し黙ったままのいくつかのアラブ世界のリーダー達を勇気づけなけりゃいけないことだ。イスラム世界の同胞として、パレスチナ人達への攻撃を黙って見ているだけでいいのか。今こそ私はアラブの学者達に問いかけたい。これこそイスラム世界とイスラム教徒に対する脅迫ではないのか」と。
http://www.tehrantimes.com/index_View.asp?code=185781
Leader upbraids Arabs for deafening silence on Gaza tragedy

また11月29日付け、「ハーレッツ」にロイターからの記事として、イランの強硬派聖職者達が、ガザにおける”シオニスト政権”に応酬するためにボランティア兵士を募っているとの記事が掲載されています。
Iran clerics enlist volunteers to fight 'Zionist regime' in Gaza
A group of Iranian hard-line clerics is signing up volunteers to fight in the Gaza Strip in response to Israel's air strikes that have killed at least 300 Palestinians, a news agency reported on Monday

イランは中東イスラム世界におけるリーダー的地位を獲得したいとの思惑があって、これを幸いに大ハッスルしているという面はあるでしょうが、ペルシア帝国の末裔ということを今もって誇りに思っている人が多いという話を隣人のイラン人から聞いています(レスリングでイランの代表としてオリンピックに出たそうで、メダルを取って、その後70年代初めにアメリカに移住したらしい。柔道、空手など日本の格闘技についても詳しい)。

彼が言うには、「イラン人は絶対にイスラエルなんかには負けないし、負けてはならないと皆、思っている。イラン人はまっすぐでサムライ・スピリッツと同じようなスピリッツを持っているから、ああいうずるい連中には負けない。なぜならアラーの神は常に正義の味方だから」ということです(笑)。


おっしゃるように日本も多角的方面からじっくり考慮して、まかり間違っても変なものに巻き込まれないようにしてほしいと願っています。


12月29日付け、CFR(外交問題評議会)のオン・ラインに、Steven Cookという中東問題専門家のインタビューが掲載されています。


彼はこの中で、「今回のイスラエルのガザ地区への攻撃はイスラエルとガザ地区にとっては、政治的、軍事的に目新しいものはなにもないし、ブッシュにとってもオバマにとっても今、現在できることは何もない。しかし何が目新しいかというと、今回の攻撃が中東全域に与えたインパクトは大きく、とりわけこの地域におけるイランの政治的影響力が大きくなった。このことがオバマ政権始動後の最初の課題となったという点で、目新しいことだ」と述べています。「イランとは対話路線でいく」と言っていたオバマですが、さあどうなるか。それにヒラリー”国務長官”はイランぎらい。イランとどう関わるのか、注視したいところです。


http://www.cfr.org/publication/18080/israelpalestinian_crisis_explodes_onto_obamas_agenda.html

Israel-Palestinian Crisis Explodes onto Obama's Agenda

Steven A. Cook CFR's leading Middle East expert, says that the latest attacks by Israel against Hamas targets in the Gaza Strip were "not surprising" given the renewed rocket attacks on southern Israel from the Gaza, and the political and military environments in Israel. Cook says "there is not a tremendous amount" either the departing Bush administration or the new Obama one can do right now, but he says the impact the Israeli attacks have on the Middle East as a whole, and the political gains to be made by Iran as a result, force the Obama administration to put the crisis "high on the agenda once the president enters the Oval Office."


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1 ■変なものに巻き込まれないように

日本も多角的方面からじっくり考慮して、まかり間違っても変なものに巻き込まれないようにしてほしい

Yes, indeed. Someone said, "We really can't understand these countries. But if you read Old Testament of Bible, you would know how and what they are doing. They are still doing the same thing over and over for many years."
What'd you think about his comments?

2 ■それがシオニズム

それがシオニズムというもので、それがためにパレスチナ人達が犠牲になっているということでしょうね。

3 ■日本も同じ!?

>They are still doing the same thing over and over for many years.

旧約聖書・創世記あたりを少しめくれば、今日でいう絶滅戦争の記述を見つけることが出来ますが、たとえばアリエル・シャロン前首相が関与したとされる難民キャンプでの虐殺など、「民族的伝統」と言ってしまうのは言い過ぎ・・・でしょうか?

でも「同じ(失敗)を繰り返し繰り返しおこなう」ってユダヤ人よりまず、「喉元過ぎれば熱さを忘れる」などということわざがまかり通る我々日本人の問題(ほんの一例をあげれば、乃木希典・牟田口廉也・星野仙一など声が大きいだけが取り柄の人物に不相応な大役を任せては失敗を繰り返す、など)でもありますが・・・
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