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日系人の黒人観を変えたジェロ

先日、サンフランシスコに住んでいるおばあさんから、ジェロという若いアフリカ系アメリカ人(黒人)の演歌歌手が出演している日本の歌番組のビデオを見てほしい、と言われた。演歌とブルースは、共に生活からにじみ出た血と汗と涙を歌っている大衆ソングなのだから、根っこは同じと思いつつも、若い黒人の男性が日本語で演歌を歌っているといったので、驚き、興味を覚えた。


私は演歌は大嫌いで、まともにじっくりと聞いたことはないが、今回だけはぜひ聞いてみたいと思い、市内にある彼女の家へ出かけ、すぐさまビデオを観た。


祖母が大阪出身の日本人らしいが、そう言われれば目のあたりが日本人的かな、と思える程度で、何もいわれなければ日本人の血が混じっているとは思えない容姿とラッパーのいで立ち。しかし彼が歌い始めたとたん、その声の質の良さ、正確な音程と日本語の発音、感情表現、どれをとっても素晴らしく、思わず聞き惚れてしまった。曲もブルースに通じるものがあり、全くのド演歌でもない。作曲は宇崎りゅうどうとなっていた。「だからブルースっぽいのか」と思いつつ、この面白い試みに感心した。


「今までは日本人が黒人ブルースをまねていたが、とうとう黒人が日本の演歌を歌う時代がやってきたのか」と少々感慨めいたものを覚え、と同時にこういう現象を発生させた現代という時代について考えさせられた。流行の裏には何がしかの仕掛け人がいるわけだが、それも時代の空気とマッチしないとブームにはならない。アメリカでもそうだが、日本も同様にリズムだけの音楽に人々は飽きたからではないかと思った。その点をうまくついた企画がこのラッパーのいでたちで黒人が演歌を歌うという意外性の組み合わせによる企画だったのではないかと思った(余談だが関西はブルースの町としても有名。大阪に縁のある彼が日本のブルースである演歌を歌うのも何かのえんか)。


金融危機で世界経済と政治の崩壊が進んでいるぎすぎすした現代社会の中にあって、人々は”血と汗と涙”の通ったヒューマニスティックな音楽と耳障りでない、”聴ける歌”を求めているのだろうか。ベイエリアにはラテン音楽のラジオ局があるが、そこで流されている音楽もこの日本の演歌に似た、リズムだけではなくメロディー・ラインを利かせたものが多い(ラテンは元々そうだが)。


「すごくうまいですねえ。驚いた。演歌は嫌いだけど、これは聴けますねえ」

と私は言った。

「そうでしょう? 私も驚いたのよ。私も演歌なんか嫌いで、聞いたことがなかったけど、この子はうまいなあと思ってね」

と彼女は言った。彼女は神戸の医者の家に生まれ、両親ともにクリスチャンだったので彼女も小さいころからピアノを習い、クラシック音楽一筋の人だったので、このようなビデオを持っていること自体が不思議だった。聞くと近くの日本語ビデオ・DVDのレンタル・ショップから借りたのだという。彼女は近くの老人ホームでピアノを弾くボランティアをしているが、そこでこのビデオを日系のシニア達が見て、彼女に教えたらしい。


日系人でも3世、4世になると黒人に対する偏見や差別はあまりないが、1世、2世ぐらいまでは、ベイエリアでもかなりそれらのものは残っている。そこで私は聞いてみた。

「じゃあ、日系のシニアの人たちは、だいぶ黒人に対する偏見や差別の感情が薄れてきたのじゃないですかねえ?」

「うん、そのようよ。テレビに出てくる今時の日本の若い子たちより、彼の方がずっと立派だといって皆、感心しているわよ。挨拶もチャンとしているし、日本語もうまい、歌もうまいっていって」

「彼が日系人の黒人観を変えてくれたってわけですね」

「本当にそうね。やはり良く知らないで怖い、怖いって言っていたけど、ああいう黒人もいるということを知って、見方が変わったみたいよ」


ジェロという人をちょっと調べたが、彼は日本で育っているわけではないようだが、あんな日本語を使うとは、大変耳がよく、頭もものすごくいいのだろう。顔つきも大変知的に見える。多分、日本人の血が4分の1混じっているといいうことで祖母から日本語と日本文化の大切さなどを教えられ、その結果、日本に住んでいる日本人以上に伝統的な日本人らしい立ち居、ふるまいをしているのだろうかと想像した。ハーフの人達などや日本文化を勉強したことのある外国人、また外国に長年住んでいる年配の日本人には、この手の人が多い。


以前、美空ひばりの生前のビデオをテレビで見ていたある大変有名なジャズ・ミュージシャンが、彼女の声の質の良さ、正確な音程、完全なボイス・コントロール力、表現力などに圧倒され、「ナット・キング・コールに匹敵するほどの天才歌手だ。名前は何というのか?曲が良ければ世界的な大スターになれただろう」と言ったことがあった(私自身は彼女の歌など全く無関心だったが)。


ジェロの歌を聞きながら、その話を思い出した。彼にもぜひ、日本のショービジネス界の“餌食”になることなく、今後、良い曲に恵まれ、日本だけではなく世界に羽ばたける歌手に成長してもらいたいと思う。


ジェロのビデオ(このリズムはなかなかいい)

http://jp.youtube.com/watch?v=haHLKyjTMV0&feature=related


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(コメント)

■こんにちは。

素敵な記事をありがとうございます!
アメリカの日系人の方にもこんなに
好意的にジェロが受け止められていること、
とてもうれしいです。
公式ブログもあるのでお時間がありましたら
ぜひご覧になってみては(ジェロ本人が書いています)。
http://blog.goo.ne.jp/jeroenka/e/df33ea578462a043ac026ced96fe906f
一カ所だけ訂正させてください・・大阪はジェロの出身地ではなく、日本で1番長く住んでいて、大好きな土地だと言うことです。おばあさまは横浜出身です。

東京在住ジェロファン 2008-11-23 18:57:20

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■同じ在米です。

お早う御座います。
同じ在米でジェロを応援しています。
素敵なお話有難うございました。
日本のジェロを応援する方のブログにお邪魔していますが、皆さまにこちらのブログをご紹介したいと思いますが、如何でしょうか?
ご迷惑でしたら、「日系のお年寄りにも話題になっている」と、だけ、お知らせしたいと思います。

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■I am his big fan, too! ジェロ

I am very happy about your article about JERO.
I became his big fan. Reasons are the same as yours.
Exiciting, I would like to introduce the following information that i wrote in one of my music blog.

Jero Enka & Hip-Hop dance
http://www.utamachi.net/logs/archives/135

* Good comments by Pop Rock Singers
http://jp.youtube.com/watch?v=vkMOtFXi1MA&feature=related


*Introduction of JERO and Nice comments - News Show
http://jp.youtube.com/watch?v=JbEZiEONhkQ&feature=related


*マレーシアの若者のブログにジェロの紹介があった。
http://www.utamachi.net/logs/archives/128

**ジェロの演歌、ここが違う
演奏者もやる気をだしてやっている.
http://www.utamachi.net/logs/archives/130

伴奏、特にギターが違うのです。
これはジェロの「みちのくひとり旅」
http://jp.youtube.com/watch?v=2nlraBbHSVc

late I checked the guitarist. I found he is an American.

***ジェロの演歌の可能性=宇崎竜童とコラボ
http://www.utamachi.net/logs/archives/131

Mapple 2008-11-26 07:26:21
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日本人の血が4分の1でも、ここまで日本文化を継承しているとは日本人はもとより、日系人たちも見習うべきですね。
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1 ■ありがとうございます

PGHさん、

コメント、ありがとうございます。

はい、ぜひよろしくお願いいたします。在米のジェロファンがいたとは、驚きました。

2 ■東京在住ジェロファンさん

(表からこちらに移動しました)

正しい情報を教えてくださって、ありがとうございました。

おばあさまは大阪ではなく横浜出身でしたか。これからも頑張ってくれるよう、応援しています。

3 ■有難う御座いました。

私はジェロの出身地、ピッツバーグに住んでいます。ジェロとは少なからず縁があり、こんな素敵な若者を応援しないわけにはいきません^^
ピッツには日本人も沢山居ますし、8月にジェロがお里帰りしてきた時、凱旋コンサートを開いてくださり、日本人のみならず、米国人もジェロの歌声に大喝采でした。

sunshineさんのお言葉にあまえ、早速、日本のファンの方のブログにお知らせしました。
皆さんは、ジェロのことなら、何でも知りたい方ばかりですので、大喜びされると思います。
有難う御座いました。

4 ■平成日本人よ、ジェロを見習おう

イギリス・Timesより。
これって、ジェロのほうが余程日本人らしい、ってこと!?

---
http://www.timesonline.co.uk/tol/news/world/asia/article5240633.ece

November 27, 2008
How the really rude can escape with a yellow card
Leo Lewis in Tokyo

She thinks he's too bloody KY by far, and he's sick to death of being treated like an NTT - and if things get much more MM, he's going to MK5 and she's going to jolly well flounce off to HR.

Welcome to 21st-century Japan, no longer the land of harmony and politeness but a grim new world of acrimony by acronym.

If you were baffled by the opening sentence, you are in good company: most Japanese above the age of 25 have no idea what the dizzying new abbreviations in their language actually mean, and only the dimmest sense that they are being judged secretly and ridiculed by the younger generation.

To make matters many times worse - and with the socially critical bonenkai year-end office party season looming - the 46 most common new acronyms have been published as a series of “yellow cards” to be waved in the faces of victims.

Accordingly, someone who hogs the stage at karaoke might suddenly find himself confronted by a flurry of cards bearing the letters “MB” - maiku ga betobeto, or “sticky microphone”.

The cards, produced by one of Japan's leading toy companies, could cause havoc as their true meanings gradually filter into the public consciousness. The surging use of acronyms, sociologists and language experts say, has created a significant shift in young people's attitudes to elders, and in junior workers' attitudes to bosses. Even among acronym addicts of a similar age, the emerging lexicon allows them to trade abuse freely in a way that traditional Japanese makes rather tricky.

5 ■無題

She thinks he is KY (kuki yomenai) because he is pathetically clueless when it comes to reading the situation; he is furious because as an NTT (nimotsu tantosha) he has had to lug her bags round the shops like a packhorse. MM (maji mukatsu) means they are both utterly disgusted with each other - MK5 (maji kireru 5 byo mae) suggests that he is going to blow his lid in five seconds, while she is sulkily going to HR (hitori ranchi), or eat on her own.

The new linguistic code, says Yasuo Kitahara, of Tsukuba University, has suddenly made it socially acceptable for Japanese to speak their minds and, disturbingly, uncorked a latent need to insult. “I'm worried about this new form of words, because when they use them, people don't hesitate to say things they couldn't possibly say in normal circumstances in everyday Japanese,” Professor Kitahara said. “I'm scared this could develop into a form of violence through speech.”

Perhaps most dreadful of all would be the husband hearing himself called an ATM by his wife - “ahona teishu mo iranai”, or “the idiot man I don't need in my life anymore”.

Short and not so sweet

AB Amai mono wa betsubara - the kind of woman who has a separate stomach for puddings

GM Gyudon no hou ga mashi - even gyudon (very cheap fast food) is better than this muck

FK Fande koi - someone who trowels on the make-up

ND Ningen to shite douyo - what the hell kind of person is this?

NTT Nimotsu tantosha - a packhorse for a girlfriend's shopping trips

OBM Okubyoumono - a man too chicken to ask a girl on a date

DD Daredemo daisuki - the kind of person who falls for anyone

NS Noryoku yori seikaku - someone promoted way beyond his competence

6 ■確かに今の日本人の話し方は幼児のよう。

そうですか。ここまで日本語が乱れているのですか。KYとはケンタッキー、GMはゼネラル・モータースと思いながら読みましたが、ちんぷんかんぷんで。

面白がってやっているのかもしれませんが、こんなことやっているから、「私があ…銀座にいい・・いってえ・・」という風にまるで幼稚園児がやっと言葉をしゃべるような話し方しかできない日本人が増えているんですねえ。これを中年の連中までやっているから驚きました。

なんだか皆が日本語を覚えたての幼児のようで、「さっ、さっと話をせんかい!!」と怒鳴りたくなるほどイライラします、あれを聞くと。この分だと日本人全部が失語症になるかもね。

語尾を伸ばして上げるな、強調するな・・・など教えないのですかね。。ASIJの連中のほうがよっぽどしっかりした日本語を話していた。ジェロの方が数倍、上手な日本語を話している。

こげばんさん、この辺のこと、記事にしてくださいよ。ぜひ。
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