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”モーセ”オバマは、世界をどこに導くか

(by こげばん)

本日はいよいよ今後4年間の世界を左右する、アメリカ大統領選挙の投票日。よほどの変事がなければ下馬評通りオバマが次期大統領に当選するであろうが、気の早いThe Economistなど、投票開始前から早々にオバマ当選と上下院での民主党勝利を予測している。
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http://www.economist.com/world/unitedstates/displayStory.cfm?story_id=12542484

The presidential election
The end of the ride

Nov 4th 2008
>From
Economist.com
After an exhausting contest, Barack Obama is expected to win today
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さて「規定路線」ではあったろうオバマ大統領誕生を見越してか、アメリカ民主党リベラル系シンクタンク・ブルッキングス研究所所長Strobe Talbott氏(クリントン政権国務次官)が、次期大統領に対し以下のような提言を行っている。
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http://www.brookings.edu/opinions/2008/1102_governing_talbott.aspx?p=1

America's Next President Must Master the Tyranny of the Urgent-ThePresidency, Proliferation, Climate Change, Terrorism, Trade

Strobe Talbott, President, The Brookings Institution
Financial Times
November 02, 2008 ―
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上記論文でタルボット氏は、次期大統領が解決すべき課題として、

・京都議定書に代わる、新しい地球温暖化防止枠組の創設
・核不拡散体制弱体化阻止、または再活性化
・ドーハラウンド行き詰まり後の、新世界貿易秩序の蘇生
・実効性のある手段をもって、世界的貧困との戦いを推し進める
・必要なら、世界的疫病の発生に備え、その予防策を講ずる
・「非民主的国家」や、彼らが支援するテロリスト集団を制御する(ブッシュ政権の「対テロ戦争」に代わる)新しい方法を構築する

の6点を指摘している。

さらにタルボット氏は、上記課題解決の前提条件として金融危機脱却と自由貿易体制堅持を指摘しながらも、環境対策として原子力への依存を主張し、それ故に核不拡散体制強化が必要であると指摘し、つまるところアメリカ次期政権最大の任務は、「相互依存を深める世界を管理する、よりすぐれた方法を見出す」ことであるとし、「それのみが陰りの見えるグローバリゼーションを活性化する方法である」と結んでいる。

ブルッキングスは以前にも「アメリカ次期大統領が直面する10大世界経済問題」と題する論文を発表していることを本ブログでもとりあげたが、

http://ameblo.jp/sunshine-berkeley/entry-10153116586.html

こちらの論文では地球温暖化対策として、排出枠上限設定と排出権取引(cap-and-trade)や環境保護へのインセンティブ設定、環境対策への長期的投資、貧困対策など、どれをとっても統制経済色の強い政策が提言されている。

これらの論文を見る限りでは、オバマ次期大統領はこれまでの軍事偏重・乱稚気レッセフェール経済に代わり、自由貿易体制を堅持しつつも統制経済色の強い政策を導入すると予測される。

このオバマの環境志向を楽観的にとらえれば、環境技術で世界をリードする日本企業の出番といえるかもしれないが、反面環境保護の美名の下、産業発展が厳しく制限されたり、新世界秩序の下、米中による東アジア共同管理が進み、Japan Nothing状態がさらにひどくなる事態も考えられる(現にブルッキングス10大世界経済問題には、日本は含まれていない)。

わかりきった話と言われればそれまでだが、日本にとってオバマ政権の誕生は、決して手放しで歓迎できるものではないといえるかもしれない。

追記

タルボット氏論文の表題にある'the Tyranny of the Urgent’とは、旧約聖書・出エジプト記に由来する言葉のようだが、

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http://www.bible.org/page.php?page_id=144#P1198_427533

The Tyranny of the Urgent (Exodus 18
<
http://www.bible.org/page.php?page_id=144# >)

By: Bob Deffinbaugh , Th.M. (Bio)

Introduction185

There is a term which is more and more frequently employed in Christiancircles, which depicts a problem that has become widespread among evangelicals―even epidemic. The term is *burnout*. Burnout happens frequently to Christian leaders, who strive to meet impossibleexpectations and demands, the achievement of which will show him to be both spiritual and successful (these two evaluations are too frequently found together these days). Failure to accomplish these

expectations and demands is believed to prove one a sluggard, unspiritually minded, or a failure. Burnout occurs when, in sheer exhaustion and frustration, one looses all hope of meeting the standard which is imposed on them (either by one’s self, others, or both), and simply gives up. By my definition at least, burnout does not lead to reevaluating and restructuring one’s
ministry, but to cessation of ministry.

Burnout is certainly not just a phenomenon found among Christian leaders, or just among Christians for that matter. Burnout is probably a significant factor in what is now referred to as the “mid-life crisis.” In spite of diligent effort and much sacrifice, individuals discover, to their dismay and depression, that their pursuit has been, in the words of the wise man of Ecclesiastes, vanity.
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血迷える暴君・”ファラオ”ブッシュの手から迷えるアメリカ人を救い出した?”モーセ”オバマが、アメリカ人や世界をどのように導くか興味深い。
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(コメント by sunshine)

■「黒人、黒人」と騒ぐな

やはりオバマが大統領に選出されました。本題から少しそれますが、コメントを少し。以前からこのブログでも何度も書いているように、これは出来レースですから驚くに値しません。

「大統領選」ともなれば「キング・メーカー」が背後に必ず控えていることは知る人ぞ知る常識。オバマを「黒人初の大統領」とメディアも人々も大騒ぎしていますが、これも何度もここで書いたように彼は”奴隷の子孫”ではなく、れっきとしたハーバード大学院で経済学博士号を取得して、政府高官を務めたエリート・ケニア人を父親に持つ“サラブレッド”。これを忘れてはなりません。そしてこれも以前、書きましたが、彼の生まれ、育った場所、親戚が世界各国に散らばっていること、これらの点から、今後の”新世界”ニューリーダーのシンボルとして、これ以上うってつけの人材はいないというわけでしょう。

アフリカから奴隷としてアメリカ大陸につれてこられた人々の子孫を軽蔑して言っているのではなく、アフリカ人とアメリカ黒人の差異がいかにメンタリティーの部分で大きいかを言いたいわけです。

両者の違いは虐待され、動物同様にしか扱われなかった人々のトラウマが代々受け継がれて、今も体内に残存しているかどうかにあります。これについては黒人大学などで歴然とした違いが見られます。一方は初対面の他人種に対して身構え、他方はどこまでも明るく、天真爛漫でオープンマインド。


ましてやオバマの父親はエリート役人。オバマの母親が苦労してフード・スタンプをもらいながら育てた時期があったとしても、インドネシアの現地校に行ったり、白人の祖父母から育てられたりしたわけですから、スラム街の黒人街で育った黒人とは全然、メンタリティーの点で異なるわけです。つまり全くの無から何代もかかって這い上がり、大統領になったアフリカ系アメリカ人(黒人)というわけではないのです。


6桁の印税契約申し出

「キング・メーカー」という点に関して言えば、10月24日付のフィナンシャル・タイムスに「オバマを裕福にしたワシントンのインサイダー」という記事があり、大変興味深いものでしたが、これによると「マケインは金持ちの娘と結婚するという”古典的な方法”で裕福になった。しかしオバマはまず、本を出版するという方法でそれを達成した」と書かれています。

Washington insider who made Obama rich
http://www.ft.com/cms/s/35d28f90-9f13-11dd-98bd-000077b07658,Authorised=false.html?_i_location=http%3A%2F%2Fwww.ft.com%2Fcms%2Fs%2F0%2F35d28f90-9f13-11dd-98bd-000077b07658.html&_i_referer =


続いて何と、「1990年、オバマが黒人初のハーバード・ロー・レビュー誌の編集長になった際、NYの出版大手、サイモン&シュスター社が6桁単位(何千万円単位)の契約を申し出て、本を書くよう依頼したが、彼は卒業論文作成に忙しく、この申し出を辞退した。その後、トニー・ブレアなどの本も手がけたやり手出版エージェントのロバート・バーネット(Robert Barnett)が彼のエージェントになり、世界中で本が爆発的に売れ、彼は裕福になった」とも。

様々な異色のバックグラウンドがあったにせよ、黒人初のハーバード・ロー・スクールのレビュー誌編集長というだけで、6桁単位の印税契約を申し出たということ自体「さまざまなリサーチがなされ、何がしかの計画があった上でなされた申し出だったのだな」と考えるのが自然でしょう。


金融システムを変えないとチェンジはない

「黒人初の大統領」といって、お祭り騒ぎのムードに大衆を酔わせている陰で、国際金融資本は公的資本の注入がなされた銀行の重役・行員たちに今年度もボーナスを支給しようともくろんでいますが、それに対してニューヨーク州司法省のクオモ司法長官が「公的資金による援助を受けながら、法外なボーナスを支払うのはニューヨーク州法に違反している」といい、9つの銀行に対し、ボーナス支払いに関する明細書を提出するよう要求しています(こういう骨のある人もアメリカの中にはいる。ミシガン州シカゴのパトリック・フイッツジェラルド検事のような)。
Cuomo Asks for Pay Data From Banks
http://www.nytimes.com/2008/10/30/business/30pay.html?_r=1&partner=rssnyt&emc=rss&oref=slogin


Bankers face more bounus cuts
http://www.thedeal.com/dealscape/2008/11/bankers_bonuses_cut.php


アメリカの財政赤字はざっと見積もっても10兆ドル(1,000億円)を超えています。
http://www.brillig.com/debt_clock/

何度も書きましたが、これをどうやってオバマが解消するのか、その議論は聞いたことがありません。

この不正だらけの世界金融システムを根底から変えないことには世の中は変わりません。私が2007年4月に掲示板に投稿した「Money as Debt」
http://www.asyura2.com/07/hasan50/msg/118.html


これに誰かが日本語のサブタイトルをつけてくれていますね。これをみると世界金融システムの中身がよくわかります。
http://video.google.com/videoplay?docid=-446781510928242771

ここにメスを入れないかぎり、「世界のチェンジ」はないと思います。

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(レス by こげばん)

■前途多難なオバマノミクス

アメリカ初の「黒人」大統領誕生の熱気冷めやらぬ中、ブルッキングスが「オバマ次期大統領への提言-自信を持って進め」と題する連載を開始しています。

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http://www.brookings.edu/papers/2008/1107_lead_memo.aspx
Memo to the President: Lead With Confidence

Darrell M. West, Vice President and Director, Governance Studies
The Brookings Institution

November 07, 2008 ―
Winning an election in a polarized nation is one thing―governing it is quite another.
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現時点では1回目しか発表されていませんが、ここではオバマ次期政権の課題として、まず第一に共和党の協力を得ながら金融市場を安定化させる一方、新しい規制導入による金融システム再構築や、リセッションの傷を浅くするための政策を採用することが提言されています。

これに加え超党派で実行可能な政策として、再生細胞研究、児童健康増進プログラムや再生可能燃料の開発(訳注:高速増殖炉原子力発電所など?)が列挙されています。

アメリカの財政赤字や経済情勢を考えれば考えるほど、よくもここまで莫大な資金を必要とするであろう(また経済効果が現れるまで長期間かかるであろう)政策を並べたな、と感心しましたが、この論文は続けて(アメリカ国民のオバマに対する)期待値を下げろ、という提言をしています。

この「期待値を下げろ」というくだりに、現在アメリカが直面する巨大な国難と、オバマノミクスの実行困難性が透けて見えると言えるかもしれません。

民主主義の再生か、「緑色の朝」の到来か?

ブルッキングスの「オバマ次期大統領への提言」にはさらに、(アメリカの超大国化に起因する、アメリカ建国当時からの変化に対応する)新時代のリーダーシップ発揮に必要な市民教育、公的部門のIT化(訳注:電子政府?)と技術革新、メディアの公正性回復という提言が並んでいます。

このいずれも興味深い提言ですが、とりわけ最後のメディアの公正性回復というくだりでは、既存のメディアは(市民同士での議論に必要な)有用な情報を提供することに失敗し、またアメリカ再生のためには政治変革同様市民からのアイデアをも必要になるとした上で、オバマ次期大統領が前述した優先度の高いアジェンダを進捗させたら、アメリカ国民の議論活性化と、それに資するメディア発の情報(の有益性)にも注意をむけることができる、としています。

オバマの前任者ブッシュは911に始まる「対テロ戦争」を遂行する中、とりわけイラク戦争でメディアコントロールに失敗して国家威信を大きく傷つけましたが、それを考えればブルッキングスがメディアの公正性回復に言及するのは意味深かもしれません。

これらの提言はうまくいけば21世紀にふさわしい民主主義や市民社会の再生に有益な提言ばかりですが、一歩間違えたら「褐色の朝」ならぬ「緑色の朝」を到来させてしまうかもしれない危険性を孕んでいると考えられるかもしれません。

オバマ次期大統領がブルッキングス提言を政策に反映させる場合は、賢明にかつ慎重に政策を選択して、ぜひとも前者の道を歩んでいただきたいと切に願っています。

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