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アメリカ社会の底辺から見た金融危機

(by sunshine)


アメリカ発の金融危機に世界が大揺れに揺れている昨今、先日また二つ、庶民の店が閉鎖や倒産においこまれた。ひとつは庶民向けデパートメントの「マーヴィンズ(Mervyns)」でベイエリアの町、ヘイワードを本拠とし、カリフォルニア州に26店舗を展開。そのうち11店舗を閉鎖に。そしてこのうち4店舗がベイエリアにある。特にカジュアルの衣料品が安くて、私もずいぶんと利用させてもらった。

http://www.mercurynews.com/ci_10191226?source=most_emailed


そしてもう一つは「シュー・パビリオン(Shoe Pavilion)」というイースト・ベイ(オークランド、バークレーなどサンフランシスコの東湾にある町)のリッチモンドという町に本拠を置くシューズ店が破産。カリフォルニア州のほかにアリゾナ、ネバダ、ニューメキシコ、オレゴン、テキサス、ワシントンなどにある合計64店舗をすべて閉鎖することになった。この店は29年前に開業、最盛期には114店舗もあった。

http://www.bizjournals.com/sanfrancisco/stories/2008/10/20/daily38.html


ベイエリアにはこの店がいたるところにあり、ベイエリアの住民なら(特にサンフランシスコやイースト・ベイ)なら誰でも知っている、安くて、品数も豊富な店だった。この店には私自身、個人的な思い出があり、それだけに今回の倒産のニュースにはやりきれない思いがしている。


昨年暮れ、この店がセールをしていたので私はイースト・ベイにある店に行った。本物のラム・スキンのブーツがわずか38ドルだったので、それを買おうとし、そばにいた20才前後ぐらいの黒人男性の店員に「これの色違いはないか」と聞いた。ワイシャツにネクタイ姿の彼は愛想よくうなずき、さっと奥へ引っ込んだかと思うとすぐに小走りで色違いを持ってきた。


その時、店内に大変センスのいいジャズをバックグラウンドに、軽快で歯切れのいいラップが流れていたので、「このラッパーは誰?」と聞いた。彼は少し恥ずかしそうにはにかみながら、「自分だ」といってほほ笑んだ。「おお、マイ・ゴッド!これ、君?」というと、「ええ、そうなんです。店のマネジャーに頼んで、僕達が作ったCDを流してもらっているんです」といった。


「音楽で食べていきたいけど、なかなかそれは難しいので、ここでパートタイマーをやりながら、週末、クラブでライブをやったり、教会で歌ったりしながら、このCDを作ったのです。これ、気に入りましたか?」

「もちろん! 音楽のテイストがいいし、あなたのラップもメッセージがこちらに伝わってくる。すごいじゃない!でも、マネジャーもいい人だね。黒人?」

「ううん、白人です。でも本当にいい人でね、元不良で高校中退、母子家庭で兄は刑務所に入っている自分を雇ってくれたんです。そして自分も昔、ギタリストになりたかったけど、諦めたのでお前は頑張れと言ってくれました」


そして彼は向こうにいた白人マネジャーを指さした。年齢は40代半ばぐらい。眼鏡をかけ、普通に髪をカットした、生真面目で人の良さそうな感じの人だった。


「ジャズを演奏しているのは教会の仲間です。今、僕はここで働きながら、夜間の高校に通っています。ここでの給料は母と妹の生活費の足しになると母からも感謝されています」

彼は目を輝かせながらこう話してくれた。今回の倒産で、あのラッパーはどうなったのかと思うと胸が痛む。


10月18日付け、サンフランシスコ・クロニクルによるとカリフォルニア州の9月の失業率は7.7パーセント。現在はさらに高くなっていることだろう。

http://www.sfgate.com/cgi-bin/article.cgi?f=/c/a/2008/10/17/BUH813JJIA.DTL


今回の金融危機は社会の底辺にいる人々の生活を直撃しているが、その典型的な例が慈善事業費の削減による貧困層のシニア達への影響だ。サンフランシスコの中心、ユニオン・スクエアー近くにオファーレル通りというのがあるが、このあたりはテンダーロイン(Tenderloin)地区と言って、低所得層や貧困層の人たちが住んでいる地区だ。ここにカリー・シニア・センター(Curry Senior Center)という老人センターがあり、毎日、ボランティア達が低所得・貧困層のシニアに朝食の無料サービスを行ってきたが、今回の経済危機の影響で、寄付金が減少、とうとう朝食もかつてのピーナツ・バターのトーストからトーストだけになってしまった。それでもこれだけの人々が毎朝、並ぶ

senior


http://www.sfgate.com/cgi-bin/article.cgi?f=/c/a/2008/10/09/BUBB13DNHL.DTL


またサンフランシスコ市内にはマリナ地区というおしゃれな地区があり、小さな洒落たブティックやレストラン、趣味の店、エステ・ショップ、美容院、フィットネス・クラブ、モーテルなどがあって、少なくとも昨年末ごろまでは、週末ともなれば近くに住むヤッピー達が仲間と朝食会を開いたり、ネイル・ショップやエステ・ショップが朝9時に満杯というような状況だったが、現在の様相は打って変わって、外で仲間とレストランで朝食をとる人も減ったとそこに住んでいる友人が言っていた。


現在、あの地区のオーナー達は”いまだかつてない不景気”にどう立ち向かうか、どう客を呼び込むか皆で知恵を振り絞って考案中だとか。ユニオン・ストリートなどでは、よく週末にイベントをやって、客の呼び込みをやっていたが、それもなかなか通じなくなってきたようだ。

http://www.sfgate.com/cgi-bin/article.cgi?f=/c/a/2008/10/05/BUL8139R7D.DTL


しかしながら不思議なのは、これだけ不景気になっても家賃は決して低くならないことだ。ワン・ルームのスタジオ・アパートメントが最低でも約千ドル以上、ワン・ベッドルームが約1,500ドル以上。これを機に儲けてやろうとしている浅ましい輩がいるものだ(政府はこちらの方の規制をまずやれ)。ベイエリアではとても生活できないとアリゾナ州フェニックスあたりに移住した人が多いが、今度はフェニックスの中国系人口が増えすぎて、アジア系の移住制限条例を作ったとアリゾナに住んでいる友人が言っていた。


うろついてもだめなものはだめ。人生はどうにかなるものだと思いながら、現在進行中の出来事をクールに見てやろうと思っている。が、しかし、あの黒人のラッパーはどうなったか。あのような若者がごまんと黒人コミュニティーにはいるわけで、それを思うと人生の不条理を思わずにはいられない。









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米がアルゼンチン・タンゴを踊る日!? 仏のシンクタンクが2009年の米・デフォルトを予測

(by こげばん)


本ブログでも度々取り上げた大統領選挙の空騒ぎをよそに、アメリカ発の金融危機は深刻さを深め、その悪影響は実体経済にも波及し始めているが、そんな中やはりというべきかいよいよというべきか、フランスのシンクタンク・LEAP/Europe2020が、来年2009年夏までにアメリカがデフォルト(債務不履行)に陥るという予測を発表している。

この論文は有料コンテンツなので残念ながら全部読むことは出来ないが、サイトで概略が公表されているので、そちらを簡単に見ることにしたい。
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http://www.leap2020.eu/GEAB-N-28-is-available!-Global-systemic-crisis-Alert-Summer-2009-The-US-government-defaults-on-its-debt_a2250.html?PHPSESSID=2b1e67736dcc3928ca8fea9131414401

GEAB N°28 is available! Global systemic crisis Alert - Summer 2009: TheUS government defaults on its debt- Public announcement GEAB N°28 (October 16, 2008) -

(論文要旨)
・ 最近の米ドル上昇傾向は株式市場の崩壊による一時的な現象にすぎない。

・ 最近の政治改革のおかげで、ユーロは世界的経済危機の中にあって「安全確実な避難所」になり、米ドルに代わる投資先を提供する。

・ 現在、米国債の膨張はすでに制御不能となっている。

・ 現在進行中の米国実体経済崩壊は、デフォルトを防ぐための代替手段(訳注:修正資本主義政策など)の実行を困難にする。

・ 2009年の米国に残された唯一の問題は、インフレーションが高率でおさまるか、それともハイパーインフレーションに襲われるかだけである
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また本論文はさらに、来るべきアメリカ債務不履行のインパクトは、去る1929年の大恐慌の比ではなく、アメリカの債務不履行に伴いドルならびに米国債は 90%程度減価し、アメリカ国内で経済的・社会的・政治的混乱が発生するであろうことも予測している。

さてアメリカが債務不履行に陥ることにでもなれば、超円高&アメリカ市場壊滅で輸出産業が総崩れになったり、極東におけるアメリカ軍プレゼンスが維持できなくなり日米安保が事実上機能しなくなるなど、アメリカの忠臣・日本も多大な影響を蒙ることが予測される。

アメリカ債務不履行に対応できるような解決策など存在しないかもしれないが、せめてアメリカ債務不履行の影響を少しでも緩和すべく、民営化路線など日本国富のアメリカ移転を促進する恐れの強い政策を凍結し、アメリカ一辺倒外交も見直してみる必要があるのかもしれない。

追記

本稿と直接関係ないが、カナダGlobalresearch主筆チョドフスキー・オタワ大学教授が、イラクに派遣されていたアメリカ軍主力戦闘部隊の一部が「今後起こる可能性がある、テロリストの攻撃などによるアメリカ本土の騒乱」に備えるためアメリカ本土に帰還したことを伝えている。
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http://www.globalresearch.ca/index.php?context=va&aid=10341
Pre-election Militarization of the North American Homeland. US Combat
Troops in Iraq repatriated to "help with civil unrest

by Michel Chossudovsky
Global Research, September 26, 2008
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これはいささか飛躍した発想かもしれないが、アメリカはすでにデフォルト後の社会的混乱を見通して、布石を打っているのかもしれない。

(投稿者注:読者各位が何らかの形で上記情報、または本ブログ記事を活用される時は、自己責任でお願いいたします)

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(コメント by sunshine)

■ドミトリー・オルロフが同じことを書いていた

「Europe2020」は2年ぐらい前、確か国際金融資本がポールソンを派遣して今度の大統領選では共和党を勝利させるだろうというようなことを書いていたと記憶していますが(間違っていたらすみません)、しかし今回の件に関しては大筋では当たりかなという気がしています。

同じようなことは、ロシア生まれで12歳の時に、アメリカに移住した(旧ソ連の崩壊を経験した)ドミトリー・オルロフ(Dmitry Orlov)というエネルギー問題研究者・作家が、「Post-Soviet Lesson for a Post-American Century(アメリカの世紀終焉後のためのソ連終焉後の教訓)」というエッセーを書いています。

http://www.fromthewilderness.com/free/ww3/060105_soviet_lessons.shtml

http://www.fromthewilderness.com/free/ww3/062805_soviet_lessons_part2.shtml

http://www.copvcia.com/free/ww3/071805_soviet_lessons_part3.shtml


彼の本

http://www.amazon.com/Reinventing-Collapse-Example-American-Prospects/dp/0865716064


そして2006年12月4日付のエネルギー問題専門サイト「Energy Bulletin」に、講演会で彼が語ったスピーチの内容が掲載されています。「アメリカは崩壊するだろう。そしてそれは旧ソ連が崩壊した時よりもさらに深刻だろう」との内容で、旧ソ連崩壊の時の方が、アメリカが崩壊する時より準備がなされていた分、救われていたのではないかというものです。
http://www.energybulletin.net/node/23259


骨子は;
1.旧ソ連は17年前に崩壊した。アメリカも財政・政治の両面でいずれ崩壊の一途をたどるだろう。
2.崩壊の正確な日付は予言できない。しかし帝国はいつかは崩壊する。例外なく。
3.旧ソ連の崩壊は秘密主義的であったので予測することは困難だった。しかしアメリカの場合は、さまざまな兆候から、崩壊がいつかは起きるということが分かる。
4.旧ソ連の崩壊はアメリカ崩壊の良き教訓となる。両者には相違点もあるが類似点もある。

(残りの部分はまた後で)

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(レス by こげばん)

■ユーロは経済危機の避難所になるか-地域統合の本質的欠陥

ご指摘のLEAP/E2020記事は見つけることが出来ませんでしたが、ただ上記論文について言えば「ユーロは世界的経済危機の中にあって「安全確実な避難所」になる」という主張は、下に記すユーロ圏の構造的欠陥を考えると個人的には多少?かな、という気がします。
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http://homepage2.nifty.com/niwaharuki/ronbun/Eukeizai-kiki-.htm

EUの経済的危機に想う

日本経済再生政策提言フォーラム会長
経済学博士 丹羽春喜(大阪学院大学教授)
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この論文で丹羽教授は、ユーロ導入は加盟各国独自の金融政策・財政政策を奪い適切な景気対策の実行を困難にするばかりか、為替レートの「ハンディキャップ供与」機能を棄て去ることにより国際分業のメリットを放棄することになり、結果として欧州景気に重大な悪影響を及ぼすと指摘しています。

さて本題のアメリカですが、アメリカ経済再建の処方箋なのか、EU型地域統合を志向しているのでは、と匂わせるレポート(たとえば下記CFRレポートの最終段落など)を最近目にすることがあります。
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http://www.cfr.org/publication/17525/
Finance and Foreign Policy
October 15, 2008
Author: Robert McMahon

But Will Straw of the Center for American Progress says this is an appropriate time for the three nations in NAFTA to review their deal. "These talks could be framed as a strategy to strengthen the competitiveness of North America as a whole and to ensure gains in living standards for all Americans, Canadians, and Mexicans," he writes.
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これは現時点では多少飛躍のある思いつきかもしれませんが、オバマ次期大統領は民族融和のシンボルとして、北アメリカのEU型地域統合を推進するべく選出されるのかもしれません。ただ丹羽教授が指摘する地域統合の根本的欠陥を考えると、アメリカが地域統合に走った場合、現在の経済危機は解決されるどころかさらに悪化する可能性があるかもしれません。
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(レス by sunshine)

■北米統合など大それた。自分の頭の上のハエでも追え

オバマは誰が見ても一発で「マルティ・カルチャー(多文化・多民族)のシンボルとして選ばれた人」というのは分かり、その意味で「民族融和のシンボル」というのは当たりでしょう。

EUに関して言えば、国全体が「ウォール・ストリート」化して、マネーゲームに踊った人口30万人のアイスランドが破産し、他にも破産する国がEU内にあるといわれている昨今、昔から仲が悪いといわれていたフランスとドイツもここへきて、フランスが呼び掛けたEU共通の公的救済基金構想についてドイツが反対し、どうなるか分からないという状態になっています。
http://www.forbes.com/afxnewslimited/feeds/afx/2008/10/24/afx5601294.html


ドイツとロシアは北欧ーバルト海ガス・パイプラインを共同で建設中の仲。
http://ameblo.jp/sunshine-berkeley/day-20081005.html

http://news.bbc.co.uk/2/hi/europe/4512472.stm


EUが決して一枚岩ではないことはすでに様々な分野から指摘されていることですが、例えば経済を見てみても大変な経済格差があり、低所得の国々では人材流出が深刻な問題になっている様です。

音楽を例にとると、チェコのクラシック・ミュージシャン達は大変高レベルの人たちが多いのですが、多くの優秀なミュージシャン達がギャラの高いフランスやイギリスその他の国へ流出してしまい、交響楽団が存続の危機を迎えています(EU加盟前は”西側”のレコード会社が安くて腕の良いチェコ・フィルなどを使ってレコーディングをして、儲けの少ないクラシックCDの売上を何とか伸ばすというようなこともやっていた。これも一種の“搾取”だが)。他の分野についても、優秀な人材流出は問題となっています。

しかしこのようなことも「金があるから起きる」現象であり、「金のないところには誰も近づかない」のではないでしょうか(笑) 相手がウォーム・ハートの持ち主で、金がなくても何とか質素に生活すれば楽しく生きられるという人なら人も近寄るけど、エゴの塊で金がないと来たら、誰が近寄るものですか(笑)。

そもそもNAFTA(北米自由協定)設立の目的は、大手多国籍企業が更なる利潤の追求を目的に掲げた構想ですから、これだけ世界大恐慌的出来事が起こっている現在、他国で更なる搾取案を練る前に、自分の頭の上のハエを追えと言いたい(欲を出すと天罰が下る)。

ボロボロになった国へ出稼ぎに行くほど人々は馬鹿ではない。アメリカが従来型の力による制圧を行おうとしても、もうそんなパワーもない。マネーゲームによって崩壊していく帝国をじっくり静観しながら、元々金に縁がなかった庶民は”動物的本能”によって明日のパンを手にいれる知恵などを皆で出し合って、物々交換などやりながら、生き延びる道を模索するというようなことになるかも?(ドミトリー・オルロフは彼の論文の中で、最終的には貨幣経済から物々交換の世界になるのではないかと書いています)。

「猿の惑星」からやり直すのも「自然の摂理」か?
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(レス by こげばん)

■頭脳流出と地域統合の危うさ

頭脳流出や移民は確かに世界的な問題で、頭脳や移民輸出国となる先進国周辺諸国では、これまで大抵どこでも社会劣化、受入先先進国では自国民の失業が問題となっていました。

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http://edition.cnn.com/2006/WORLD/europe/06/28/eu.university/index.html

Europe fears brain drain to UK(CNN)

http://news.bbc.co.uk/2/hi/africa/1605242.stm

Brain drain costs Africa billions(BBC)

http://www.cfr.org/publication/16976/

Brain Drain Not to Blame for Weak African Health Care (CFR)
(注:CFRレポートはアフリカの頭脳流出を楽観的に捉えてますが、実際のところどうなのか…)
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ただしこのところの経済危機で、移民の中には本国に引き上げる動きも出てきているようで、たとえばWSJはこのように伝えています。

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http://online.wsj.com/article/SB122289829299095859.html

Latest Immigration Wave: Retreat
An Illegal Worker Realizes Dream, Briefly; Fewer Are Sneaking In
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さて移民は(頭脳・肉体労働問わず)大資本家にとっては便利この上ない労働力でしょうが、景気動向一つで各国を渡り歩くことを余儀なくされる当の移民にしてみれば、たまったものではないかもしれません(アメリカ帰りの移民も、今度は本国に再適応するのに苦労するのでは、と推測します)。

移民政策を楽観的に見れば、バイカルチュアルを身に付けた移民が社会を活性化することが期待できるかもしれませんが、ヨーロッパを見れば実際は期待とは異なっており、この点からも(大規模な頭脳・労働力移動を伴う)EU型地域統合の危うさが窺えます。


地域統合や移民を論ずる前にこーゆー社会を再建することが先決では?
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(放蕩、贅沢三昧、バカ騒ぎ、賭博などの)このような実に忌まわしい弊害をきれいさっぱり一掃されてはどうでしょうか。農場や家屋を壊したものはすぐにそれを再建するか、新しく建てようとする者に所有権を譲渡させるような法律をお作りになってはいかがですか。金持ちたちが一切の物資を買い占めたり、先買いをしたり、独占権を獲得して、市場を思いのまま支配したりするのを許してはいけません。それから農業を復活させ、織物業を再開したいものです。そうすれば、今まで泥棒をしていた連中とか、今でこそ浮浪人であり、あるいは無為徒食の居候であるといった連中も、生業に就くことによって有意義な生活をおくることができるようになります。お国のこの宿弊に対して何か対策を講じない限り、あなた方がいくら罪人を厳刑に処したところで、何ら自慢の種にならないと思います(トマス・モア「ユートピア」)
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金融危機という名のぺテンに騙されてはならない

(by sunshine)


「真実は単純である」と言ったのは、古今東西の芸術家や科学者の中に私が覚えているだけでも数人はいるが、その中の一人に今は亡き日本を代表する現代作曲家の武満 徹氏がいる。私は生前、彼から「自分はポップスのミュージシャンの中ではジョン・レノンが好きだった。彼の詩や曲は非常にシンプルだが、真実を訴えているから。真実は単純なものなのだ]というような話を聞いたことがある。


今回のアメリカ発の世界的金融危機問題も単純に考えると事の本質が見えてくる。儲けているのは誰かと考えればいい。国際金融資本家はますます富を蓄え、その他の者達は彼らに搾取され、虫けら同然に踏み倒されている。わずか2%の最富裕層が世界の富の半分以上を所有し、10%の最富裕層が世界の資産の85%を所有しているといわれているが、今回のいざこざは、金融支配層の支配度をますます強めた。これくらいは馬鹿でも見抜けるのだ。庶民をなめるなといいたい。


国際金融資本家達やその子飼いの守銭奴達が更なる金儲けの手段を次から、次へと考案し、それをかっこよく「金融工学」などと銘打って、暴走しまくり、パンクした。その後始末を国民の税金で尻拭いする。そして今後、二度と大手金融機関が破綻などしないように国民の税金や中央銀行から(ドル紙幣をじゃかじゃかん印刷してか?)それらの機関に潤沢な資金を供給する。金融機関の再編が行われ、大手はさらに大手になる(その後、恐ろしいジンバブエ並の大インフレになるか?…笑)。


国際金融資本家達は、今回のような金融危機をあらかじめ予測していたのかちゃんと財務省のトップに元世界最大の投資銀行(現在は銀行持ち株会社となっている)ゴールドマン・サックスの元CEO・ポールソンを据え、手ぬかりなくことが運ぶようにやらせている。


そこでこんなさなかにも、昨年と比べると減益とはいえそれでもなおかつ収益を上げ、一人勝ちしているゴールドマン・サックス(それでも今回、公的資金によって資本注入がなされる)だけに焦点を当てて、今回のぺテンを単純に整理すると以下のようになる


・現在でも利益をあげている

今年6月ー8月期は昨年度と比較すると70%の減益ー純利益は8億4500万ドル(1株当り1.81ドル)。前年同期は28億5000万ドル(同6.13ドル)だった。

http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-33781420080916


・とてつもない報酬

今年1月付の下記のよると、GSの従業員はひとり平均65万ドル(7,300万円)の年棒(その多くはボーナス)を得ている。

http://www.j-cast.com/2008/01/01015042.html


また公的資金の投入を受けることが判明した10月の時点でも、「ロイド・ブランクフェイン最高経営責任者(CEO、54)は、かつての上司だったポールソン米財務長官がまとめた金融安定化策実施後も、巨額の報酬を稼げる可能性がある。同CEOは昨年7030 万ドル(約71億4200万円)を得ている。ブランクフェインCEOの07年報酬額は、同年にウォール街の金融機関CEOに支払われた額で最高だった。ジェームズ・F・レダ・アンド・アソシエーツのシニアコンサルタント、デービッド・シュミット氏は、同CEOが報酬の一部を「株式で受け取り、ゴールドマンの株価が上昇すれば、依然として数千万ドルの報酬を得ることができる」と話す。ただゴールドマンが納税者から反発を受けることへの懸念から、昨年と同水準の報酬を与える公算は小さいだろう」とも言われているが、それでも巨額になることは確かなようだ。


(公的資金1250億ドルの注入を受ける金融機関9社は、それと引き換えに経営陣の報酬が制限される。同資金は米議会が今月承認した総額7000億ドルの金融安定化策の一部)

http://www.asyura2.com/08/hasan58/msg/1021.html

・ウォーレン・バフェットはこれを儲けのチャンスとしている。

9月24日、フォーブス誌による”世界一の富豪家”、ウォーレン・バフェットが彼の投資会社、バークシャー・ハザウェイを通じて、50億ドル(5,000億円)の投資をした。


バークシャーはゴールドマンの発行する配当利回り10%の永久優先株を購入。この永久優先株はゴールドマン側に資金の余裕が出来たら、10%のプレミアムで買い戻してよいという条項が付いている。そしてこの永久優先株にはバークシャーが向こう5年間、$115ドルで50億ドル分のゴールドマンの普通株を買えるワラントが付いている。そこで理論的には、24日に50億ドル投資したバークシャーは7億8,300万ドル(約783億円)を自動的に稼いだことになる。
http://business.timesonline.co.uk/tol/business/industry_sectors/banking_and_finance/article4821506.ece
そこでウォーレン・バフェットは、「株は下値の時が買い時だ」「アメリカ国債は今が買い時。自分は大いに買っている」などとほざいて、政府のプロパガンダをやっている。自分自身は勝算の保証があるからだ。

http://www.nytimes.com/2008/10/17/opinion/17buffett.html?_r=3&scp=2&sq=Warren%20Buffet&st=cse&oref=slogin&oref=slogin&oref=login

Bu American. I Am

Published: October 16, 2008

以上のことから、今さらながらだが国際金融資本に乗っ取られてしまっているアメリカ政府、いや世界各国政府の現状が分かる。ひところ「新世界秩序(New World Order)」という言葉が流行したが、その後どうなったのか?今度のこれは、もしかしたらそれへの序章?

アメリカには469人の億万長者(資産10億ドル-1,000億円以上の所有者)がいて、世界でも断トツの多さだが、彼らがこの富を何とかすればどれだけ多く歩人々が救済されるかと思うと、この世の不条理というものを思わずにはいられない。

問題は我々庶民が彼らの横暴をただ手をこまねいて、見ているだけでいいのかということだ。
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(10月14日のブログに書かれたこげばんさんの2度目のコメントですが、内容的にこちらにも当てはまると思いますので、こちらにつけました。御了承ください)


■次世代の経済新パラダイム? ブルッキングス研究所提言

次世代の経済新パラダイムというほど大げさなものかどうかはわかりませんが、アメリカ・民主党リベラルグローバリスト系シンクタンク・ブルッキングス研究所が「アメリカ次期大統領が直面する10大世界経済問題」と題する論文を発表しています。
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Top 10 Global Economic Challenges Facing America's 44th President
http://www.brookings.edu/reports/2008/10_global_economics_top_ten.aspx

October 2008 ―
The 2008/2009 Top 10 Global Economic Challenges report focuses on the most critical issues facing America’s 44th president. From restoring financial stability to establishing a U.S. policy on climate change and engaging the emerging economic powers, the report contains timely analysis and recommendations by Brookings leading global economic experts.
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以下提言骨子

1. (アメリカの)財政規律を回復させよ

2. 地球温暖化対策に本腰を入れよ

3. (アメリカの)ソフト・パワーを最大限活用せよ

4. 国際貿易を再構築せよ

5. 中国を国際秩序に軟着陸させよ

6. ロシアの戦略を読め

7. 台頭するインドと建設的関係を結べ

8. ラテンアメリカ諸国との関係を再活性化せよ

9. アフリカの成長を援助せよ

10. 中東民主化を推進せよ 
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sunshineさんご紹介のBill Moyersインタビューを聞いた限りでは、地球温暖化対策を強調していたように見えましたが、いずれにせよアメリカ次期大統領は、就任早々修正資本主義的経済政策の採用で、ともかくもアメリカ経済の決定的破綻を回避する必要性に迫られるだろう、ということは言えそうです。

ポール・クルーグマン氏(ノーベル経済学賞受賞)のオバマ批判

(by sunshine)


プリンストン大学経済学教授で、「ニューヨーク・タイムス」のコラムニスト、ポール・クルーグマン氏(Paul Krugman)が今年度のノーベル経済学賞を受賞した。彼はかねてよりブッシュ政権を強烈に批判したり、アメリカの医療制度、とりわけ健康保険制度について早くから警鐘を鳴らしていた。

http://hiddennews.cocolog-nifty.com/gloomynews/2006/05/post_4a60.html


そんな彼が1年前から批判の矛先を向けていたのがオバマであり、オバマの唱える「国民健康保険制度」というのは、彼が一押ししていたジョン・エドワーズ案に比べるとはるかに“弱く”、ヒラリー・クリントン案と比較しても“弱い”と言っている。

http://www.nytimes.com/2008/02/04/opinion/04krugman.html?_r=1&oref=slogin

http://www.economist.com/blogs/democracyinamerica/2008/04/krugmans_obama_problem.cfm


この中でクルーグマン氏は、大筋で下記のようなことを述べている。

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「オバマはそもそも国民健康保険政策案を選挙戦の最初から掲げていたわけではなく、これについてはどちらかと言えば共和党の姿勢に近いスタンスをとっていた。彼は他の民主党候補が国民皆保険制度を政策に掲げていることに対して、“非現実的”と批判していた。それなのにその後、彼もだんだんと集票政策の一環として、この政策を唱えるようになってきた。


しかしながら、オバマが当選しても彼の健康保険制度を現実化することは難しいだろう。なぜなら彼のプランを実施する場合、健康保険を持つ人が通院の際に支払う費用のことを考えるとうまく機能しないということが専門家によって計算されているからだ」

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オバマ支持者のサイトもクルーグマン氏のオバマ関連記事を下記のように収集。「クルーグマン氏は全面的なオバマ批判者ではない」とのタイトルで、支持者達を安心させるかのような書き方をしている。

http://www.barackobama.com/factcheck/2007/12/07/fact_check_krugman_didnt_alway.php


1年前から行われてきたたび重なるクルーグマン氏のオバマ批判に対し、昨年12月19日付、「ニューズウィーク」では「なぜオバマの健康保険政策はナイーブ(無知・無策)ではないか」という反論を掲載し、「クルーグマン氏はポピュリスト」と批判。以後、両者は現在に至るまで、健康保険政策をめぐって事あるごとに論争を続けている。

http://www.newsweek.com/id/80882


今年2月11日付、「ニューヨーク・タイムス」でクルーグマン氏は、オバマの支持者たちを「まるでカルト宗教に群がる信者達のようだと」評した。。

http://www.nytimes.com/2008/02/11/opinion/11krugman.html?scp =

http://www.huffingtonpost.com/2008/02/11/krugman-claims-obama-supp_n_85999.html


オバマだけではなく、大統領選自体、この世界大恐慌のさなかに能天気な祭りを演出している異次元世界の人々の遊びのようにしか見えないが、オバマの唱える健康保険政策が具体的にどのようなものであるのか分かっている支持者たちが一体どのくらいいるのか、確かに疑問だ。


アメリカの財政は実質的に破産状態であり、今後、ウェルフェアー(社会福祉)がどうなるのか全く不透明な状態だが、少なくとも現在は、貧困層や低所得者層には公的健康保険、メディケアー(Medicareー医療費全額政府負担)とメディケイド(Medicaidー医療費一部個人負担)とがあり、中間層はまだしも、低所得者層は一応、これで何とかなっていはいる(経費のかかる治療の場合はどうなるのか知らないが、例えばサンフランシスコ・ベイエリアのアラメダ郡立病院などでは、低所得者層・貧困層への一定の手術や入院費なども無料で行っている。しかしこの分野は州政府と地方自治体の負担であり、カリフォルニア州政府自体が破産状態で、先日もシュワルツネガー知事が連邦政府に補助予算の申請をしていることから、いつまでこのようなことが続行されるか分からない)

http://en.wikipedia.org/wiki/Medicare_Catastrophic_Coverage_Act

http://en.wikipedia.org/wiki/Medicaid


そもそもオバマの唱えている中間層への減税という政策自体も、それで現在抱えている10兆ドル強(1000兆円)の財政赤字をどのように補てんしていくのかということには言及されず、ただ「ワン・フレーズ」だけが独り歩きしているようなところがある。健康保険政策についても、何となく皆が安い国民皆保険を手に入れられそうな、そんなムードだけが独り歩きして、実態がぼやけているというのが正直な感想だ。


イメージを振りまき、リアリティーを見えなくするのが大統領選という名のメディア・広告会社、その他企業が仕掛ける”祭り”。その意味でも、クルーグマン氏の言葉には説得力がある(しかしながら彼もまた、レーガン政権で82年ー83年と経済補佐官を務めーレーガノミックスでは大変な双子の赤字を創出したがーその後世界銀行、IMFなどでエコノミストを務めていた経歴などからして、政治的立ち回りができる人物かな、とも思う)。


ポール・クルーグマン氏のオフィシャル・サイト
http://krugmanonline.com/

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(コメント by こげばん)

■著名エコノミストの「政治的立ち回り」

「政治的立ち回り」がうまいのは何もクルーグマンに限ったことではなく、ヘッジファンドを世に知らしめたジョージ・ソロスや、'The Work of Nations(邦題:ザ・ワーク・オブ・ネーションズ―21世紀資本主義のイメージ)'なる著書で、労働市場のレッセフェール化を高らかに称賛していたロバート・ライシュ(クリントン政権労働長官)なども、最近ではこぞって乱稚気レッセフェール経済に異を唱えているように見受けられます。

このような著名エコノミストの主張には一定の説得力があるのは確かです。ただ近年のアメリカ・リベラルグローバリスト系シンクタンク-ブルッキングス研究所など-の論調も修正資本主義を志向しているところを見れば、アメリカ(支配層)は修正資本主義的外見を纏った統制経済への移行を考えているのではないかとも思え、だとすれば著名エコノミストの「政治的立ち回り」も、「露払い」の役を演じているのかもしれません。

日本人はなぜ理論物理学に強いのかー海外の視点から

(by sunshine)


先日、日本人のノーベル賞受賞者が4人との発表があった(物理学賞3人、化学賞1人)。これについて下記のようなブログを目にしたので、これについて私の反論を書きたい。

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「日本の基礎科学がどうして強いのかについては様々な理由があるが、私が見るに、日本語で学問をするという点も大きいようだー韓国日報」

http://www.asyura2.com/08/senkyo54/msg/561.html

http://gimpo.2ch.net/test/read.cgi/news4plus/1223507539/-100


■自国語で学問する

今年のノーベル物理学賞受賞者は日本人一色だ。高エネルギー加速器研究所の小林名誉教授、京都大の益川名誉教授と日系アメリカ人の南部シカゴ大名誉教授だ。日本は1949年に湯川秀樹が物理学賞で初のノーベル賞を受賞して以来、物理学賞受賞者だけで7人になる。今年も受賞者をまた輩出した化学賞に医学生理学賞を加えれば受賞者は13人になり、この分野の国家別順位でも世界7位だ。


日本の物理学賞受賞者たちは専ら日本で大学を終えたが、特に今回の受賞者3人はいずれも最終学位まで日本で終えた。80代の南部教授は1952年にプリンストン大招聘を契機にアメリカに定着したものの東京大学で勉強したし、60代の小林・益川教授は名古屋大で博士課程まで終えた。今回の受賞対象となった「小林・益川理論」自体、2人が大学院生と研究員として出会った名古屋大で誕生した。


日本の基礎科学がどうして強いのかについては様々な理由があるが、私が見るに、日本語で学問をするという点も大きいようだ(中略)。


日本は初等・中等過程はもちろん、大学でも日本語で科学を教える。そのため、西洋で発達した科学を日本語に訳すのを当然の基礎過程だと考えている。漢字文化圏である東洋4国があまねく使っている「科学」「化学」「物理学」などの用語自体が、アルファベット圏言語を自国語で把握しようとした日本の知識人たちによる翻訳の所産だ。「素粒子」「陽子」「電子」などの用語も、すべて日本人が作ったものだ。


そのおかげで、日本人にとって世界的水準で思考するということは世界で一番深く思考するということであり、英語で思考するということではなくなった(中略)。


一方我が国は、小学校・中学高校過程では科学の基本概念をきちんと把握する教育をしないで、大学に入ると突然英語で科学を教える。名門大学であればあるほど、理学部・工学部・医学部の物理・化学・生理学などの基礎分野に英語教材が使われる。内容理解だけでも不足な時間に外国語の負担まで重なっては、韓国語で学ぶ場合に比べると半分も学べない。韓国の基礎科学は外国に留学に行くことを初めから想定して教えているわけだ(後略)。

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私は物理学の専門家ではないが、理論物理学者の友人(30代)がいるので、最先端の現代物理学を素人にも分かるように懇切・丁寧に教えてもらう機会はある。この友人とは日本人とインド系のハーフであり、日本のインターナショナル・スクールに行き、日英バイリンガルで、アメリカのトップ大学・大学院を卒業、博士号取得し、将来はノーベル賞を受賞するのではないかとも言われている人物だ。


この友人が口癖のように言っているのが、「理論物理学は99.9パーセントがインスピレーション(ひらめき、霊感)だ。これがなければ一流の物理学者とは言えない」ということだ。


そして、「西洋科学は二元論的・分析的だが、東洋科学は非二元論的・非分析的で、全体を包括的にまず感じ取り、その後、それを証明していくという根本的に異なるアプローチの仕方をしていたので、これが各民族の”DNA”に流れている、いわば思考的土壌のようなものになっているのではないか。そこで特に理論物理学のような分野では、日本人科学者は強いのではないか」というようなことは、ずっと以前から言っていた。


従って物理学を母国語で学ぼうが、大学から英語で学ぼうが(これも極端だが)、あまり関係ないのではないか。数学や理論物理学の軸となるものはものの考え方であり、それを証明するのが数式だから、韓国語で教授が説明し、英語の教科書で数式を見るというようなことなら、母国語の教科書でなくてもいいのではないか(そうでなければ物理学の授業なのか、英語の授業なのか分からない)。


数学者や理論物理学者の論文というのは紙に数枚ぐらいが普通で、少なくて1枚だけというのもあるらしいので、英語力というより、やはり基礎的な数式への理解度の上に乗っかっての発想力、ひらめきだろう。


今回、ノーベル物理学賞を受賞した「小林・益川理論」というのは、約35年前にお二人が書いた論文が今回の受賞の対象となったとのことだが、この「クォークが6種類以上存在する」という考え方も、益川博士のひらめきを小林博士が実験して、共同で論文を発表した様だ。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B0%8F%E6%9E%97%E3%83%BB%E7%9B%8A%E5%B7%9D%E7%90%86%E8%AB%96


昔から日本(東洋)には、「あの世とこの世はつながっている」「色即是空、空即是色」といった仏教思想が広く一般庶民の生活に根付き、常人には見えないが、見る人が見れば見える透明のベールがこの世を包んでいて、こちらが現実世界なのか、あちらが現実世界でこちらはその影なのか分からないといった考え方があった。


日本の理論物理学者の先駆者達が、京都といういかにも日本文化のエッセンスが凝縮されたような環境で基礎研究を重ねたということは、日本文化と理論物理学の関係を考察する上で、大変象徴的なことのように思える。京都大学が自由な発想を重んじる大学だとしても、確たる日本文化があの土地一体に存在しているからこそ、それをぶち壊して、新しいものを生み出そうとする気概が生まれるのではないだろうか。伝統文化と新しいものがぶつかり、時には闘いながら、また時には折衷しながら、新理論を生んだということではないのかと想像する。


それを後輩の科学者たちにまるで伝統芸の職人たちが伝えるように伝え、その土壌の上に後輩達が新しいひらめきで更に新理論を世に送り出したということではないのかと。


そして東洋に遅れること約2千年、やっとデイビッド・ボームやユング、デニス・ガボールなどに代表されるいわゆる“ニュー・サイエンティスト”達によって、東洋の「無」や「空」、「気」、「暗在系と明在系」、「共時性」の概念などが西洋に移入され、以後、東洋思想とニュー・サイエンスの領域は互いにクロスさせながら、新しい潮流を作っている。


そして益川・小林博士の研究の上に”ワープ理論”(5次元理論)で有名なリサ・ランドール博士のような新しい世代の理論物理学者が続いているということだろう。

http://www.warpedpassages.com/

http://www.amazon.co.jp/%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%83%97%E3%81%99%E3%82%8B%E5%AE%87%E5%AE%99%E2%80%955%E6%AC%A1%E5%85%83%E6%99%82%E7%A9%BA%E3%81%AE%E8%AC%8E%E3%82%92%E8%A7%A3%E3%81%8F-%E3%83%AA%E3%82%B5%E3%83%BB%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%BC%E3%83%AB/dp/4140812397


こう考えると、少し大げさな表現になるが、理論物理学は日本人が2千年かけて育んできた日本の伝統文化から生まれた新しい伝統文化であり、世界に誇れる第一級の文化ともいえるのではないか。紙と鉛筆、コンピューターさえあればできるコンパクトな、まさに日本人の得意技的文化といえる。この分野の人材をどんどん育成し、金融危機のたびに一喜一憂するエコノミック・アニマルどもをせせら笑いながら、世界中に理論物理学者を“人材派遣”できるようになれば面白いと一人、想像(妄想)にふけっている。


しかし、そのためには、日本の教育事情はよく知らないが、人間として生きる上での心棒をまず1本植えつける事をやった上で、各人、それぞれ持って生まれた素質や向き、不向きは異なるということを念頭に入れて、インスピレーションを大事にする、想像性豊かな人材を育成する為の教育改革が必要ではないかと思う。


ちなみに友人の物理学者も教科によって偏りが激しく、社会科はできなかったが、数学と物理学は勉強しなくてもトップだった。高校時代にはすでに教師を追い越して、大学用の教科書を勝手に読んでは、「文学作品よりよっぽど詩的でロマンがある」と本気で言っていた。こうなると普通の人間が理数の分野で努力して云々というようなレベルの話ではなくなる。


日本中にたくさんこのような人材が埋もれているのではないか。彼らの才能を無駄にすることがないように願っている。

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(コメント by こげばん)

■『英語を学べばバカになる』 というトンデモ

上記ブログ記事の作者、時々面白いことを書くには書くのですが、語学に関する限り完全にトンデモで、以前にもこんな記事書いてます。

帰国子女と言われてもてはやされる人の書いた英語は読めたものではない。文法的にいい加減で、内容がない。
http://www.asyura2.com/0601/idletalk17/msg/366.html

で、この記事あまりに論旨がトンデモなので、このよーな反論試みてみたのですが、

Re: この表題には全面的に賛同できない。帰国子女の英語力を維持すらできない日本の英語狂育こそ問題である。
http://www.asyura2.com/0601/idletalk17/msg/371.html

Re: 帰国子女も日本育ちも、日本にいながら驚異的英語力を身に付けることができる英語教育
http://www.asyura2.com/0601/idletalk17/msg/372.html


また『英語を学べばバカになる』 なんてトンデモ言いふらしているとこみりゃ、もー一回反論してみたほうがいいのかしらん。日本でまっとうな英語教育を実践している学校-たとえばここで何度か書いた千里国際学園や下記リンク
http://www.kobejogakuin-h.ed.jp/kyouka/eigo/


の事例見りゃ、日本で『英語を学べばバカになる』 のは、単に受験英語屋の教え方の問題ではないか、と思えますが。

あとこれは余談ですが、先年NHKでリサ・ランドール博士・東大講演会の模様を見ましたが、まず仰天したのは空席が多数あったことでした。

いまどきの東大生、入学前にたとえばこのよーに絞られてヘトヘトになっているから5次元理論などどーでもよくなっているのかどーかは知りませんが、
http://www.asyura2.com/08/social6/msg/133.html

http://www.asyura2.com/07/cult4/msg/456.html

それにしてももったいない話です。

「積分」が苦手な?日本の国際関係学者

こちらは「将来はノーベル賞を受賞するのではないか」ということはなさそうですが(失礼!)、私も30代新進気鋭の国際法教授や国際政治学者を何人か見てきました。

ただ惜しむらくは彼・彼女らの研究テーマが、たとえば「EU指令xxの意義」とか「テロ集団に対する国連制裁の法的根拠」とゆーよーな、何か微に入り細を穿つ傾向が見られることです。

これは日本の国際法・政治学会の傾向として言えそうなことですが、日本の国際関係学者は「微分」は得意ても「積分」は苦手な向きが多いように見受けられます。

「微分」も意味のあることでしょうが、「積分」が出来ないと欧米国際政治学者が考えるような「大戦略」に対して盲目となってしまい、日本の国際関係学はいつまでたっても欧米の下請けで終わるのではないか、と危惧しています。

ノーベル賞科学者:金融危機は地球にとって貴重な休息期間

(by sunshine)


アメリカの公的資金によって救済されたAIGの幹部達6人がカリフォルニア州のリゾート地、モナコ・ビーチの高級ホテルに9月22日ー9月30日まで滞在、ゴルフ、スパ、マネキュアその他の贅沢三昧にうつつをにかし、合計約44万ドル(約4,400万円)以上もの費用を会社の経費で落としていたことが議会でも大問題となっていることは、すでに世界中のメディアでも報道されている事と思う。


これを聞いて、アメリカ庶民の怒りは心頭に達したわけだが、下記のサイトにこのホテル(St. Regis Resort Hotel)から彼らへ渡された請求書のコピーが掲載されている。

http://www.thesmokinggun.com/archive/years/2008/1007083aig1.html


これひとつ見ても、彼らがいかにエゴ・マニアックの動物であるかが分かるが、こんな連中にしゃぶりつくされているのが今のアメリカ政府であり、アメリカ社会。政治・経済の基礎的教科書に出てくる、「金融支配階級は経済を支配し、社会のトップに立って、政治をコントロールするルールや条件を決める」ということが真実であることが分かる。


今回のウォール街での破綻劇も、“勝ち組”の元投資会社、ゴールドマン・サックスやモルガン・スタンレーなどは収益が落ち込んだとはいえ、それでもしっかりと利益は上げている。従って、今回の金融破綻騒動も、一部の巨大金融機関にとっては弱小金融機関を呑みこむ絶好のチャンスであり、これを機に更に一層、ビジネス拡大とよくの皮を突っ張らせて皮算用しているところもあるのだろう。


しかしながら、地球も自然の中の一部であり、生き物だ。無限の大宇宙の中から見れば、ほんのチリの様な存在。大きな隕石が天から降ってこようものなら、現在の人々の営みは消滅してしまうともいわれている。科学者は、このようなことは過去においても、何度もあったし、今後もあるはずという。


あるアメリカ人生物学者が講演会で、過去から現在に至るまで、ある特定の生物だけが地球上で消滅せずにずっと生き続けたという例はないので、「人間も例外ではない」と非常に淡々と言っていたのが脳裏に焼き付いているが、このことを思えば、現在の金融危機など高見の見物というもの。


先日、ノーベル物理学賞と化学賞が発表され、日本人科学者が4人受賞したとの報道がなされていたが、10月7日付け、ロイターにオゾン層の減少についての論文で1995年度のノーベル化学賞を受賞したポール・J・クルツェン(Paul J.Crutzen)博士のインタビューが掲載されている。


彼によれば、今回の世界的大金融危機は、地球上における二酸化炭素の排出を削減し、人々にエネルギー節約方法とスロー・ライフの重要性について考えさせ、地球という惑星に一息つかせる貴重な機会を与えたわけで、大変喜ばしいことだとのこと(笑)。同様に考える人は多いと思う。

http://www.reuters.com/article/GlobalEnvironment08/idUSTRE4966A220081007


この先、どれくらい地球が生き延びられるかどうか分からないが、これくらいのスケールで物を見れば、何が来ても悠然と生きていることの喜びを体感しながら生きられるのではないか。

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(コメント by こげばん)

■隕石同様恐ろしい破局噴火

肝心の経済とは全く関係なくて申し訳ありませんが、過去に破局噴火をおこしてきたアメリカ・イエローストーンでは、マグマの異常上昇が続いているらしいです。
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http://www.47news.jp/CN/200711/CN2007110901000015.html


イエローストン急激に隆起 米観光地、マグマ供給か
 【ワシントン8日共同】米中西部の世界的な観光地イエローストン国立公園の中心部が2004年半ばから年7センチの割合で急激に隆起したと、米ユタ大の研究チームが9日付の米科学誌サイエンスに発表した。  チームは、地下10キロにあるマグマだまりに深部からマグマがさらに入って膨らんだと推測している。火山の噴火や水蒸気爆発の兆候は今のところないという。  間欠泉や温泉で有名なイエローストン国立公園の中心部は、64万年前の火山の噴火でできた長さ約60キロ、幅約40キロの楕円(だえん)形の巨大なカルデラ地形となっている。  チームは、カルデラ周辺の12カ所に設置した衛星利用測位システム(GPS)の地上局を使い地面の動きを観測。04年7月から06年末まで、年7センチの割合で隆起していた。現在も隆起は続いているが、やや緩慢になったという。
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隕石はいつ降ってくるかわかりませんが、破局噴火はいつかは起こると考えられ(イエローストーンの噴火間隔は60万年とされるので、ひょっとしてひょっとすれば…)、一度発生すれば隕石同様人類に破局的影響が及ぶことを考えれば、これを機に破局噴火を考察してみるのも無駄ではないかもしれません。

▽参考リンク-破局噴火

現代都市を脅かすカルデラ破局噴火のリスク評価
http://www.edu.gunma-u.ac.jp/~hayakawa/bosai/hakyoku/hakyoku.htm


現代都市への火山の危険

http://www.edu.gunma-u.ac.jp/~hayakawa/paper/city.html


破局噴火で太平洋を渡った!? 縄文人

これは出典を失念した話なので、あまり書くとトンデモになりかねませんが、中南米太平洋岸の先住民族文化と、九州・四国地方の縄文文化にいくつか共通点がみられるという話を聞いたことがあります。

でもって何故共通点が見られるかというと、上記参考資料に出てくる九州の破局噴火を辛くも生き延びた縄文人が、舟で日本を脱出してたどりついたのが中南米だったとか…

ただ当時の技術でそのような大航海ができたかどうか、肝心のその点はいささか怪しいかもしれませんが…
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#このような本もあるようですが…
http://www.seidosha.co.jp/index.php?%C6%EC%CA%B8%BF%CD%A4%CF%C2%C0%CA%BF%CD%CE%A4%F2%C5%CF%A4%C3%A4%BF%A4%AB

縄文人は太平洋を渡ったか
カヤック3000マイル航海記

ジョン・ターク 著 森 夏樹 訳  
200603刊/4-6判/541頁
定価2940 円(本体2800 円)
ISBN4-7917-6256-8

古代ミステリーへの挑戦!
・・・・・・1996年アメリカ北西海岸で縄文人に酷似した人骨が出土した。推定年代9000余年以上前、はたして縄文人は太平洋を越えて渡ってきたのか?この謎に取り憑かれた男が仲間とともに渡航実験に乗り出した・・・・・・。壮大なイマジネーションと行動力で困難な旅に挑んだ圧巻の冒険ドキュメント。
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▽参考リンク-鹿児島縄文文化の一例
http://www.jomon-no-mori.jp/uenointr.htm


イエロー・ストーン国立公園のビデオ

セント・へレンス山もここ1年ぐらいは少し静かですが、これもたまに噴火するので危ない山だといわれています。こうして考えると、アメリカもいつ「ポンペイ最後の日」を迎えるか分からないというもの。

なお縄文人が中南米に移住したという話については少し?マークです。定説では(これも時がたてば覆されるわけですが)、アフリカに起源を発する人類が長い旅を経るうちに二グロイド、モンゴロイド、コーカソイド、オーストラロイドなどに変化し、モンゴりアンはユーラシア大陸を経て、ベーリング海峡をわたり、北米、中南米へと移動していったといわれているからです。そして割と最近(ここ1,2年?)、南太平洋からオーストラロイドの人々が、海を渡って、中南米へと移動した例もあるのではないかということで、フランスの研究チームだったか、カヌーのようなものを作り、南太平洋から南米に渡るという実験を行ったとの記憶があります。

これは日本の国立科学博物館の「人類の起源」に関するサイト。

建設中の国際宇宙ステーションへは今後、ソユーズを使うアメリカ

(by sunshine)


グルジア紛争以降、メディアが煽るアメリカーロシアの「新冷戦」。しかし何度かこのブログでも書いたように宇宙開発分野では両国は依然としてパートナー関係にある。


2010年に完成予定、2015年(2016年という説もある)までに運用を目指したISS(国際宇宙ステーション)の建設では、両国のほかに日本、カナダ、欧州宇宙機関(ESA)加盟11カ国が共同で建設を進めている。運用完了までに要する費用は1,540億ドル(約16兆円)。詳細については下記を参照していただくことにして、

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%BD%E9%9A%9B%E5%AE%87%E5%AE%99%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3


10月5日付、”International Herald Tribune”に興味深い記事が掲載されている。これによると、今後、アメリカは2010年ー2015年までの間、国際宇宙ステーションへの有人飛行には、ロシアの有人宇宙船”ソユーズ”に”席を買って”、乗り込むようだ(こうなるのではないかと以前から関係者たちの間では推測されていた)。
http://www.iht.com/articles/2008/10/05/america/gap.php

U.S. to rely on Russia for manned spaceflight


[抄訳]

モスクワ北東に位置するコロレフ(Korolev)と言えば、かつて東西冷戦時代には、宇宙航空分野でアメリカに負けじと火花を散らしていた秘密軍事基地だった。しかしブッシュ政権の計画によれば、2年後にはここは世界で唯一、世界各国の宇宙飛行士を宇宙へ送り込む基地となる。


2010年にNASAはスペースシャトルを廃止し、2015年に新有人宇宙船を飛ばす予定だが、この間、アメリカはロシアに金を支払って、一般の宇宙飛行ツアー客がやるようにロシアの宇宙船・ソユーズに席を買い、建設中の国際宇宙ステーションまでの有人飛行を行うことになった。


NASAの幹部は、「スペースシャトル・プログラムを廃止することによって、NASAでは何千人もの人々が職を失ったことはもとより、グルジア問題をはじめ他の問題でロシアとの確執が生じている現在、このような形でロシアに頼らざるを得ないということは、宇宙開発分野における主導権をロシアに明け渡すという事を意味するもので、賢い選択とは言えない」 「ロシアがグルジア侵攻をしたというニュースを聞いて、ただちにこういうことになるのではないかと思った」と憤っている。


中国は先月、3度目の有人飛行を成功させ、中国政府は月へ到着するための宇宙ステーション建設を計画中と言っている。アメリカは早くて2020年には月への到着を目指すと言っているが、世界の有知識者たちの間では、多分、中国がそれよりも早く到着するのではないかとの意見が多い。


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田中 宇氏によれば、ブッシュ、チェイニー達、ネオコン一派は、わざとアメリカを崩壊させ、世界を多極化へ導く“隠れ多極主義者”とのことだが、この宇宙飛行騒動もこうした角度から見れば、なるほどと思える。

自滅の仕上げに入った米イラク戦争

http://tanakanews.com/g1205iraq.htm


それにしても地球規模での危機的な経済大恐慌時代を迎えたこの後に及んで、なおも各国政府を宇宙へとここまで駆り立てる真意は何だろうと想像をめぐらせてみる。


関連:

コロラド・スプリングス在住の男性の家へETが頻繁に訪問。記者会見でビデオを(CBS)

http://ameblo.jp/sunshine-berkeley/day-20080601.html


コロラド・スプリングスの異星人騒動とロズウェル事件

http://ameblo.jp/sunshine-berkeley/day-20080605.html


マケインの愛読書は火星を植民地にするSF小説「火星年代記」

http://ameblo.jp/sunshine-berkeley/day-20080608.html


観光を国家ビジネスにともくろむ意外な国同士の”友好”関係

(by sunshine)


アメリカ発の金融危機が世界中に波及し、今後、出口の見えない暗い日々が当分続きそうとの専門家の意見に敏感に反応するかのように、「観光を次の国家ビジネスに」を合言葉に、次々と意外な国同士がツアー客を送り込んだり、ビザなし渡航を推進したりしているのには苦笑させられる。


イスラエルと中国と言えば、少なくとも表向きは、まるで「水と油」のような関係だと思っていたが、なんと10月4日付、JTAに9月25日、40名の中国人がイスラエルへ初の公式ツアーを行ったとの記事が掲載されている。これによってイスラエルと中国は共に”観光ビジネス”の分野で更なる発展を遂げられるようにと互いに固い握手をしたとのこと(笑)。


テルアビブー北京間の運航は1992年に開始されて以来、今日まで週3往復、テルアビブー香港は週5往復だったが、今後は上海便も含めて、増便。今までは年間約5万人のイスラエル人観光客が主で、中国人のイスラエル渡航者はほとんどがビジネス関連者でそのうちの半分は政府関係者だったのを一般市民のツアー客呼び込みへとさらに拍車をかける予定。


イスラエル観光相は"Haaretz"のインタビューに対し、「2008年末までに1万5千人の中国人ツアー客をイスラエルに呼び込むつもり」と答えている。

http://www.jta.org/cgi-bin/iowa/news/article/20080928Chinatourist092008.html


またロシアとイスラエルの関係も面白いもので、8月にはプーチンの統一ロシアがイスラエルに党支部を、そしてイスラエルのカディマ党はロシアにそれぞれ党支部を設置したが、


イスラエルにプーチンの「統一ロシア」が党支部を開設

http://ameblo.jp/sunshine-berkeley/entry-10130583128.html


9月30日付け、「Russia Today」によるとロシアとイスラエルは、今後、ビザなしでそれぞれ互いの国を渡航できるようになったとのこと。イスラエル観光相は、「ロシアからイスラエルに来る観光客は年々増加しており、2007年には19万3千人。2009年までには40万人以上を見込んでいる」と言っている。「イスラエル在住者の約5分の1は旧ソ連からの移住者であり、このことは彼らにとっても朗報である」としている。


「両国の関係は1967年の”6日戦争”以来、冷え込んだ関係が続いていたが、3年前、プーチン大統領(当時)がイスラエルを訪問して以来、関係は改善されている」とのこと。

http://www.russiatoday.com/news/news/30699


世界的な金融危機の中、ロシア経済も株価暴落、株式市場の一時的閉鎖とそのあおりをもろに受けている。8月26日付け、「Russia Today」で「我々は冷戦を恐れない」と言っていたメドベージェフ大統領が、

http://www.russiatoday.com/medvedev/news/29490


10月2日付け、同紙でロシアを訪問中のメルケル独首相に「我々は新冷戦など欲していない」と親和路線変更への姿勢を見せている。「ドイツはロシアにとって最大の貿易パートナーであり、とりわけ科学技術分野での最大のパートナー。両国の更なる信頼関係の構築と発展を誓い合った」と書かれている(両国は北欧ーバルト海ガス・パイプライン<NEGP-North European Gas Pipeline>の建設を計画中であり、2010年までには完成させる予定。これによってロシアからの天然ガスはドイツに供給され、その後ヨーロッパ全域に供給される)。

http://www.russiatoday.com/news/news/31254

http://news.bbc.co.uk/2/hi/europe/4512472.stm

http://www.helsinki.fi/aleksanteri/civpro/publications/WP3.pdf

http://oilgas-info.jogmec.go.jp/report_pdf.pl?pdf=0507_out_j_ru_north_europe_gas_pipeline.pdf&id=279


少し古いが今年2月10日付、「ロボスチ」によれば、ロシアのイワノフ外相はミュンヘンで開催された安全保障国際会議において、「ロシアは更なる経済の近代化を推進するために1兆ドル(約105兆円)が必要。そのためにも広く外国からの投資を歓迎する」との発言を行っている。

http://en.rian.ru/russia/20080210/98860469.html


また9月24日付、「Russia Today」によれば、メドベージェフ大統領は極東油田とこの地方に埋蔵しているといわれている金、銀、レアメタルなどの天然資源の開発に更なる拍車をかけるとのこと。ロシアとイスラエルのビザなし渡航も実は富裕層の多いユダヤ人からの投資を呼び込もうというのが本音ではないか?


以上のことから、金融危機に端を発した世界的経済恐慌の中で、自国がいかに生き延びるかと懸命な試行錯誤が各国で行われている様子が垣間見れるが、これを見る限り国同士の(表向きの)政治的対立などどこ吹く風。体裁よりも実利を取るといったドライな側面が透けて見えるから面白い。所詮、国際政治とは、こんなものだろう。

http://www.russiatoday.com/medvedev/news/30886


いずれにしても、世界中が不景気になり、はたして一般人が気軽に海外旅行などにうつつをぬかせるのかという疑問は残るが、庶民レベルで互いの国を理解するということは大変平和的で良いことであることは間違いなしだ。

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(コメント by こげばん)

関連記事だよん


中国発のイスラエル観光ツアーが現地到着(人民網・日本語版)

http://www.people.ne.jp/a/b8e12635645f4ccca74efc478fa2dcc1



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