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社会的貢献度から見た米総合大学ランキング(ワシントン・マンスリー)

(by Sunshine)

ワシントン・マンスリーによる「アメリカ国内の総合大学ランキング2012」が発表された。これは大学の社会的貢献度という観点から3分野ー社会性(返済義務のない政府奨学金の獲得者率、低所得家庭出身者の入学・卒業率など)、業績、社会的奉仕性(ROTC:予備役将校養成訓練,Peace Corp:開発途上国を援助する平和部隊などへの貢献や、地域社会へのボランティア参加など)-にわけて調査し、総合的に判断したもの。

カリフォルニア大学バークリー校は昨年の3位から5位に、代わりにカリフォルニア大学サンディエゴ校がトップになっている。大幅な州財政赤字の影響を受けて、大学への予算配分も大幅削減、教職員も大量に首を切られ、給料も大幅減少となっているカリフォルニア大学機構ではあるが、このランキングではトップ10に4校がノミネートされている。


http://www.washingtonmonthly.com/college_guide/rankings_2012/national_university_rank.php

1.カリフォルニア大学サンディエゴ校
2.テキサス A&M
3.スタンフォード大学
4.ノースカロライナ大学チャペル・ヒル校
5.カリフォルニア大学バークリー校
6.カリフォルニア大学ロサンゼルス校
7.ケース・ウェスタン・リザーブ大学(オハイオ州)
8.ワシントン大学シアトル校
9.カリフォルニア大学リバーサイド校
10.ジョージア工科大学
11.ハーバード大学

(以下略)



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日本の近未来?アメリカの大幅教師削減、陰で笑うエリート教員派遣会社

(by sunshine)


100年に一度とも言われている未曾有の大恐慌の嵐は一向に鎮まりそうもないアメリカだが、この余波を受けて、州財政の大幅赤字により公教育現場への大幅予算削減が深刻な社会問題となっている。


カリフォルニア州では今年3月半ば、約23,000人の教師達に対してピンク・スリップ(一時解雇通知)が郵送された。そのうちサンフランシスコ・ベイエリアでは約900人の教師達がこれを受け取った(このうち約160名余りは管理職)が、これもすべて113億円(向こう2年間)の予算削減のあおりを受けてのものだとメディアは報じている。

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(ビデオも見られる)

http://abclocal.go.com/kgo/story?section=news/education&id=7332132

Bay Area teachers feel the wrath of pink slips


School districts around the Bay Area are sending layoff notices to thousands of school teachers. San Francisco Unified is handing out the most pink slips in the Bay Area and that also includes administrators. All the safety nets are no longer there, so all of the layoffs are about to become permanent.

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また同様にシカゴでも約400人の教師が仕事を失った。教職員組合の7月21日付、ニュース・レターには、「Teacher For Americaのメンバーを雇用する前に、まず自分たちの再雇用をせよ」との声明文を掲載している。


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http://progressillinois.com/news/content/2010/07/21/ctu-no-new-hires-until-laid-rehired

Chicago Teachers Union Warns CPS About New Hires (UPDATED

The Chicago Teachers Union called on the Chicago Public School system to rehire laid-off teachers before hiring any new ones. CPS begins its budget talks on Friday.


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またボストンでは、昨年以来、教職員組合とTeacher for Americaの“闘争”は繰り広げられており、ダラスでは300名余りのベテラン教師を解雇し、代わりに100名のTeacher for America 所属者を派遣、イリノイ大学教育学部では毎年300名の初等教育専門の、教員免許取得者を卒業させるが、Teacher for America 所属者に職を奪われ、仕事に就けない新卒者が多く、深刻な問題となっている等の話がThe Liberator Magazineに寄せられている。

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http://weblog.liberatormagazine.com/2010/05/investigating-teach-for-america.html


Investigating "Teach for America"


Public education, once viewed as the great equalizer of "our union", now faces unprecedented scrutiny and ever-increasing competition from private and semiprivate entities. Teach For America (TFA), a national teacher recruitment and placement non-profit organization is a major player in current education reform efforts in the United States. In 2009 alone, TFA placed some 4,000 teachers nationwide. This fact in combination with TFA’s growing influence in schools, communities, and school districts across the country, has brought Teach For America and its corps members under the proverbial microscope of America’s politicos, educators, teacher training institutions, and teacher unions.

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Teach For Americaとは?


Don't Believe The Hype-Kopp


                       (設立者のWendy Kopp)


教育界を席巻しているこの「Teacher For America」とは一体どういう組織か。


・1889年、当時プリンストン大学4年生だったウェンディー・コップ(Wendy Kopp)が卒業論文で書いた「都市部や田舎における貧困層の子供達への教育の機会均等のために」という理念の下、1990年に設立された。


・このNPOの設立趣旨は、優秀な大学新卒者を2年間契約で主として都市部や地方の貧困層の多い地区にある公立学校に派遣し、生徒たちに教職免許を持つ従来型の教師とは異なるユニークな方法で教えることによって、学力をアップさせ、教師となった若者たちにはアメリカのメインストリームから外れた人々の生活を知ることによって、より一層アメリカ社会の現実についての認識を深め、来るべくアメリカのリーダーとしての研鑽を積むための一助とするため、としている(正式にはNPOとなっているが、実は私企業と同じように営利追求を行いながら、それを表面に出さないところも多く、ここもその部類に属するという人も多い)。


・応募者はここ2,3年特に急上昇し、2007年には2,900名の採用に対して18,000人が、2009年には4,100人の採用枠に対して35,000人が、2010人には4,600人の採用枠に対して46,000人が応募した。今やTeach for America はかつての巨大金融機関と同じような“ブランド名”を保有するに至っている。


・応募者の出身大学もアイビーリーグやその他の有名一流大学が多く、プリンストン、アムハースト、デューク、シカゴ大などでは卒業生の約10%、イェール大では約18%が応募、7月11日付のNY Timesによると、あるハーバード大出身者の友人、20名が応募したところ、3,4人だけが採用されたという話やカリフォルニア大学バークリー校出身者は最初から不採用と思い、応募しなかったという話、またデューク大出身者は不採用になり、合格していたアイビー・リーグの大学院の方へ進んだという話などが掲載されている。修士号や博士号保持者も多数いて、出身学部は教育学部以外の多岐にわたる。


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http://www.nytimes.com/2010/07/12/education/12winerip.html?_r=2


A Chosen Few Are Teaching for America


HOUSTON — Alneada Biggers, Harvard class of 2010, was amazed this past year when she discovered that getting into the nation’s top law schools and grad programs could be easier than being accepted for a starting teaching job with Teach for America .

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・採用された人達は5週間のサマー訓練期間を受けた後、アルタナティブ教員免許が与えられ、2年間契約で教師として派遣される。


・給与は教員免許を持つ新教員と同程度の給与で、健康保険などのベネフィットもある。また、各学年末には特別報酬としてAmeriCorpより4,725ドルが支払われるほか、多種多彩な割引制度もあり、学生ローンの支払いを完了させるための無利子のローン制度もある(給与は田舎が27,000ドルー4,5000ドル、都会が30,000ドルー4,8000ドル。正規の教員同様、各学校区からの支払いとなる)。


(下記に平均給与のグラフがあるが、これをみるとTeacher for Americaの給与は決して悪くない)

http://www.teachforamerica.org/corps/financial_arrangements.htm


・この組織の運営費は、33%が連邦および州政府の予算、20%が個人の寄付、15%が企業、6%が特別イベントからの収益金となっている。

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http://voices.washingtonpost.com/answer-sheet/teachers/a-new-look-at-teach-for-americ.html


A new look at Teach for America

Around the country today thousands of young Teach for America recruits are getting a crash course in how to teach students in low-income urban and rural schools, a job they have promised to do for the next two years.

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Teach For Americaと民主党の癒着


このように連邦・州両政府から大幅な経費獲得を行って、“教師の人材派遣業”を堂々と行っているTeach For Americaに対して、怒りに燃えた教師達は、今、Teach For Americaと民主党との「癒着の構造」について厳しく追及している。


先月末、複数の民主党上院・下院両議員達から上院・下院それぞれの「労働・保険・教育小委員会」委員長あてに、「Teach For America」に対する補助金として、5,000万ドル(約45億円)を交付するよう連名で嘆願書が提出されたことが、表沙汰となった(下記のサイトにこの文書と上院議員・下院議員達の署名が掲載されている)。

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Don't Believe The Hype-TFA


http://greatschoolsforamerica.org/wordpress/?p=165


Teach for America:Deceive and Receive


What would you do if you recently acquired copies of letters circulating around Congress expressing support for doubling the funding for Teach for America (TFA) from 25 to 50 million of your tax payer dollars.

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“ロビー政治”がアメリカ政治の特徴といわれればそれまでだが、教員免許を持った“ベテラン”教師を解雇して、若いアイビー・リーガーたちを2年契約で後釜に据えるやり方は、余りにも露骨すぎるという声も多い。


・「Teach For America」もご多分にもれず、設立当初は貧困地区で教育の質を高めようという理想に燃えたよいプロジェクトであった。


・組織が大きくなれば、必ず理想と現実とのギャップが生じてくる。


・安定した組織運営のためには、政治家とのコネ、ギブ・アンド・テイクの関係は必要不可欠なものと思えるようになってくる。


・ブランド力名維持のためなら、奇麗事などいっておれなくなる。


と、まあこういうような流れで、現在に至っているのだろうか。物事には必ず春夏秋冬のサイクルというものがあり、たとえどんな素晴らしい理念を持ったプロジェクトでも、年月が経てば、次第に変遷していくのが常だ。


結論


問題の教える中身についてだが、教え方が斬新で、わかりやすくて、大変良いという評価と、良くない、ないし教員免許保持の“伝統的教師”と同じ程度という評価とに分かれており、一概には言えないようだ。ただし、高校の理系については、「Teacher For America」所属者の評価は、“伝統的教師”よりも高いようだ。これは一流大学・大学院卒の優秀な「Teacher For America」所属者が教えるからだろうと前出のワシントン・ポストは書いている。

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http://voices.washingtonpost.com/answer-sheet/teachers/a-new-look-at-teach-for-americ.html


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このように見てみると、アメリカの産業界全体が落ち目で、アイビー・リーグを出ても就職口さえままならぬという昨今の社会事情からしてみれば、「Teacher For America」がいかにアメリカの若者たちを惹きつけるか、その理由はわかる気がする。


その学生たちの受け皿としてこのteacher for America は存在し、一方、2年契約での新卒者採用は、教育委員会にとっても人件費削減につながる。世の中がこんな状況になると予測してこれを設立したのかどうかは知らないが、言ってみれば、今、現在、ぴたりとはまる“教育界のすきま産業”ではある。


ちなみに50-65%の「Teacher For America」が2年間の契約期間終了後は教師の仕事を辞めて、他の仕事に就職したり、大学院に戻ったりしているようだが、新卒後の2年間のこの経験はその後の職探しに大いに役立つとか。


日本でいえば、東大や京大卒の人に2年間教師をやらせるということだろうが、この不況がさらに続けば、これをそっくりそのまま物まねした団体が方々で出現なんて話も、まんざら架空の話ではなくなってくるかも知れない。


“伝統的教師”がいいか、一流大卒の、教育学部出身でない2年間教師がいいか、私自身は何とも言えない。それぞれ一長一短があると思う。しかし、これで得をしているのはどこのだれかと考えると、奥の深い問題ではあると思う。



*ちなみにサンフランシスコ・ベイエリアには429人の「Teacher For America」所属者がいる。


http://www.teachforamerica.org/corps/placement_regions/bay_area/bay_area.htm


*Wendy Koppへのインタビュー(The Economist)

http://www.economist.com/blogs/democracyinamerica/2010/04/wendy_kopp_interview



*海外での教職を斡旋している会社もある。特にオイル・マネーで景気の良い中東での仕事は給与、待遇ともに最高で、人気がある。アブダビあたりは、特にいいらしい。

http://www.teachaway.com/


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(コメント by こげぱん)

■BS世界のドキュメンタリー シリーズ アメリカ社会の苦悩「ピンクスリップの恐怖」


日本でも5月頃だったか、NHK-BS「世界のドキュメンタリー」でこのテーマがとりあげられ、勤続30年のやり手数学教師があっさり解雇されたり、貧困地区の学校がさらに荒廃するなどに、カリフォルニア公立学校の窮状を唖然とする思いで見た記憶があります。

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http://cgi4.nhk.or.jp/hensei/program/p.cgi?area=001&date=2010-07-28&ch=11&eid=28253


BS世界のドキュメンタリー シリーズ アメリカ社会の苦悩「ピンクスリップの恐怖」

米国カリフォルニア州の公立学校の教師たちが、ピンクスリップの恐怖におびえている。ピンクスリップとは、解雇通知のこと。2009年、同州では、教師の10人に1人にあたる3万人の教師が受け取った。かつては黄金州と呼ばれていたが、リーマンショック後は税収が激減。同年の財政赤字は260億ドルを超え、教育費が実に75億ドルも削減された。荒廃の危機にあるカリフォルニア州の公教育の現場を見つめる。
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▽関連記事
http://latimesblogs.latimes.com/california-politics/2010/03/california-public-schools-send-out-22000-pink-slips.html


California's public schools send out 22,000 pink slips
March 15, 2010 | 12:58 pm

Faced with another year of potentially deep budget cuts, California's public schools have sent out 22,000 pink slips to teachers and school employees, according to the state's superintendent.

「BS 世界のドキュメンタリー」で放送されたのですか? さすが情報化社会ですね。その時に「Teacher for America」のことも紹介されたのでしょうか? されたとしたなら、どういう風に紹介されたのか興味があります。

カリフォルニアといえば、元々教育にあまり金をかけないという事についてですが、伝統的に西部(カリフォルニア州)は東部に対するライバル意識がある地域ですので、それは東部に対抗して、東部エスタブリッシュメント達の子弟達が行くアイビー・リーグに負けないような公立大学を創設しようということでUC(カリフォルニア大学)システムを創立したので、そういった点からそのように言われているのだと思います。カリフォルニア州というのは、元来金鉱目当てに一攫千金を狙った山師のような連中が集まってできた町が多く、東部エスタブリッシュメント達とは文化、風習、気質が異なっていたので、庶民のための質の高い教育を目指すというのが州是のようになってきたのだと思います。ただUCは全米の州立大学中、確かもっとも授業料が高いことで有名で、それはこのような州財政の大幅赤字になる前からそうでした。

また小学校から高校までの教育においても、「Gifted Program](英才教育プログラム)のある学校では、他州よりもお金をかけていたような話は聞いています(ただ、この州財政の大幅赤字になった昨今では、この予算も大幅カットされ、問題となっています)。

元来教員の給料は低く、給与体系も学校区が決定するので、学校区への予算が削減されれば教師の解雇もあっさり行われるというところは以前からあり、従って学年末が近くなると来年度の予算がどうなるか、びくびくしながら生活する教師が多かったとは聞いています。つまり日本ほどいったん教師になれば退職するまで勤められるという保証はなかったのです。従って、極めて流動的で、不安定な職場ではありました。

UC バークリー校では新入生・転校生のDNAテストを開始

(by sunshine)


カリフォルニア大学バークリー校と言えば、”州立大学のアイビー・リーグ校”と呼ばれており、ノーベル賞受賞者(特に理系)を多数輩出していることでも有名だが、一方では大変”進歩的”で、”リベラルな校風”としても広く名前が知られている大学だ。


そのUCバークリーで、今ちょっとした議論が巻き起こっている。例年なら9月から入学する新入生や転入生のために、大学案内の冊子や本、DVDなどが送付されていたが、今年はガラリと趣向を変えて、DNAサンプル送付のためのキットが同封されることになった。


唾液を綿棒で採取し、それをバーコードが印刷されたキットの中に入れて大学に送付。後日、学生は自分のDNAテストの結果をオンライン・データベース上で見ることができるというもの。大学側は、学生の個人情報に関しては完全守秘義務を果たし、ラボには生徒のバーコードを知らせないので、個人情報管理は完璧にできるとしている。

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http://www.dailycal.org/article/109474/l_s_freshmen_can_have_their_dna_analyzed

L&S Freshmen Can Have Their DNA Analyzed


Incoming UC Berkeley freshmen will receive something a bit unconventional in the mail this summer when the campus sends out the traditional welcoming package: cotton swabs.

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これを行う目的は葉酸、乳酸、アルコールの3分野における吸収率を調べるもので、このことにより、アルコール摂取、肥満、その他の他自己の抱えている遺伝性の問題点などを知り、より健康で快適な人生を送ることができるようになるためだと言っている(そんなアホな)。

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http://www.usatoday.com/news/education/2010-05-18-IHE-Berkeley-freshmen-DNA-test19_ST_N.htm

DNA test replaces summer reading project at UC-Berkeley


The University of California-Berkeley is an experimental place, and sometimes those experiments start as early as the summer before they step foot on campus.

This summer, the university's College of Letters and Science — home to three quarters of Berkeley's 25,000 undergraduates — will ask freshmen and transfers to return a cotton swab covered in cells collected from their inner cheeks in an effort to introduce them to the emerging field

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これは義務ではないが、提出しなければしないで目をつけられそうな気もするし、すれば自分の個人情報をどこでどう使用されるか怖いし、さあどうしようと思い悩んでいるという声をちらほら聞く。


「4年前には125ドル支払って自分のDNAを調べたのに、無料とはすごいじゃないか! 」といった書き込みや、「馬鹿をやっちゃあ、いけないぜ、新入生たちよ。こんなことをやって誰かが金儲けをしているんだから、自分のDNAを無料でやってはいけないぜ」と言った書き込みなどもあって、”今どきの”ナイーブな少年少女には、この辺の判断は大変難しいとは思う。


しかしまあ、こんな幼稚なことを言って集めようとは、UCバークリーの学生も程度が墜ちたということだろうか。水爆を発明したのも、ここの連中だったし、何かと”怪しい”動きをしても不思議ではないが…この辺でやめておいた方が無難だ。


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(KTUVのビデオも下記のサイトで見れる)

http://www.ktvu.com/news/23592937/detail.html
UC Berkeley Asking Incoming Students For DNA


BERKELEY, Calif. -- UC Berkeley is adding something a little different this year in its welcome package -- cotton swabs for a DNA sample.

In the past, incoming freshman and transfer students have received a rather typical welcome book from the College of Letters and Science's "On the Same Page" program, but this year the students will be asked for more.

The students will be asked to voluntarily submit a DNA sample. The cotton swabs will come with two bar code labels. One label will be put on the DNA sample and the other is kept for the students own records.



民主党の高校教育無料化案は単なるばらまきか?米・フィンランドとの比較による考察

(by sunshine)


先回の本ブログ(http://ameblo.jp/sunshine-berkeley/day-20090806.html )で、こげぱんさんが民主党マニフェストの“目玉”のひとつである高校教育無料化について、ある公立校教師の意見を引用されていましたが、この件について私の意見を書きたいと思います。

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民主党が高校教育までの無料化をマニフェストに掲げているとのことだが、曲がりなりにもGDP世界第二位の経済大国なら、それくらいのことを行うのは当たり前と言いたい。


ところが「2005年度学校教育費の対GDP比(国債比較)」を見ると、日本はわずか4.9%と意外に低い数値である。その理由として、例えばアメリカをはじめとするその他の移民が多い国々と比べると、補修としての言語教育にかかる費用が少ないからということがあるかもしれない。しかし、とりわけ公教育への支出は低く、その代り私的負担が多い点で日本は特異な存在となっている(この点に関しては韓国もよく似ている)。


http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/3950.html


これについては、公教育はほったらかし、親の経済力に任せて子供の教育も野放し状態といったアメリカの悪しき現象をそのまま30年後に追っかけているといえそうだが、そこでそれの見直しとして高校教育を無料化にして、公教育に力を入れるという案なら私は賛成だ。ただし、それには下記の2点がポイントとなる。


1.どのような国策に基づく教育政策なのか


教育というものはその国の未来への思いを託している鏡のようなものだと私は考える。そのためには、いかなる国策としての教育政策を講じているか。そこがポイントだ。


いくつかの異なる国で教育を受けたことがある者として言わせてもらえば、教育政策には大きく分類して、”一部の天才育成教育型”と”全体のレベルアップ教育型”の二種類があるように思う。前者の典型例としては、アングロ・アメリカ諸国、後者の典型例としては北欧諸国。そして日本はといえば、前者型ではないか。ただし、戦前、戦後の一時期までは後者型、戦後のある一時期から、特に新自由主義が推進されるようになって以来、”過激な”前者の”いびつ型”となったように思う。


前者の典型例・アメリカと後者の典型例・フィンランドを比較してみると、この両者の違いが歴然としてくる。


「学力の国際比較」を見ると、フィンランドが各分野総合で世界でトップ。アメリカは日本よりも下位。

(日本は教育費にお金を使っていない割には成績が良い)

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「学力の国際比較」

http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/3940.html


*科学的リテラシー:フィンランド(1位)、日本(6位)、アメリカ(29位)

 読解力  〃    :   〃  (2位)、 〃 (15位)、 〃  (56位までに入っていない)

 数学的  〃    :   〃  (2位)、 〃 (10位)、 〃  (36位)

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ところが、ノーベル賞受賞者となると、自然科学分野では下記のように、圧倒的にアメリカが多くなる(ノーベル賞受賞も政治的なものが背後で絡み合っていることやアメリカの受賞者の中には外国生まれが多いことも承知の上であるが)。

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「ノーベル賞(自然科学分野)の国別ランキン(1901年ー2008年まで)

http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/3933.html


*1位: アメリカ(227人)

 2位: 英国  (75人)

 3位: ドイツ  (68人)


国別・分野別 ノーベル賞受賞者数( 1901-2007 )
http://sangakukan.jp/michishirube/databook+index.page+article+storyid+72.htm

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しかしアメリカは今、確実に滅亡の一途をたどっており、上記のようにたとえノーベル賞受賞者を数多く輩出していても、国自体が機能不全状態、ということは教育政策自体が機能不全状態といえる状態にある。


一方、90年代には失業率17%とも20%ともいわれていたフィンランドは、ITと教育を軸に国策の立て直しを図り、GDP,教育レベル共に世界のトップクラスに躍り出ている。なぜそのようなことが可能になったのか。詳しくは各自で調べていただければいいが、大雑把にいえば、フィンランド人の団結心の強さ、まとまりの良さにある。


フィンランドの国土は日本よりやや狭く、人口は約530万人。そしてフィンランド人は他の北欧諸国(スウェーデン、デンマーク、ノルウェー、アイスランド)と異なり、民族的にはアジア系(ハンガリー系)に属するし、言語もフィンーウゴール語族。気質は昔の日本人のように素朴で仁義を重んじ、礼儀作法を大切にする。大国ロシアとスウェーデンに挟まれ、何度か植民地となった歴史と厳しい自然環境により、人々の団結心と助け合いなくして生存不可能ということを嫌というほど学ばされてきた民族でもある。だからこそ、90年代に国が行き詰まった際には、国民全員が国の立て直しのために立ち上がったのだと現地の人たちから聞いた(あの時は将来に夢や希望を見出せない無気力な若者が増え、アルコール・麻薬・銃問題ー狩猟の伝統があるため銃の所有はアメリカに次いで高いーなどが大きな社会問題となっていた)。


そして現在、IT分野では携帯電話のノキアとリナックスというソフトで有名な国として、また世界一質の高い教育を行う国として世界をリードする立場に立っている。


フィンランドの教育は幼稚園から大学まで無料。これについては、下記のサイトを参照されたし。

http://www.moimoifinland.com/technical/education.html


上記サイトにもあるように、フィンランドでは中等教育を終えると(中卒)、職業専門学校と高校、またその上は大学と職業高等専門学校に分けて、教育する。大学は5年制で修士号を取得してから卒業となる(最近は学部卒も出来たという話だが)。中卒の時点でアカデミックな勉強の嫌いな生徒は手に職を身につけるために職業専門学校へ、そうでない生徒は高校へと振り分けるのも、ドイツやフランス、イタリアあたりでは行われている制度であり、職工制度などとの併用でさらに一層技術が磨かれる。


このようにフィンランドは、崖っぷちに立たされた時から国民全体の改革への情熱が燃え上がり、国の基幹産業を皆で模索した結果、IT産業と教育という目標を設定。それのアプローチに向けて、皆で血のにじむような努力をした結果、今日に至ったとこういうわけだ。


無論、人口わずか500万人余りのフィンランドの政策をそのまま1億5千万人余りの日本にあてはめることは無理があることは重々承知の上だが、分かりやすいモデルとして参考にはできるのではないか。


日本の民主党が高校無料化を謳っても、何のための無料化という目的が見えないうちは、税金の無駄遣いという結果に終わる可能性も高い。大切なのは目的意識である。


2.教員の質の向上


これについては日本国内で様々な論議が交わされていると思うので、あまり触れない。フィンランドでは教員となるにも修士号を持っていなくてはならず(最近は少し変わってきたと聞いたが)、教員となってからも様々な研修で教育されるので、教員の質が大変高いことで有名。日本の教育者達は一度研修に現地へ行ってみるとよく分かると思う。


また教員となってからも、常に新しい知識と教育法を教わるために休みをとって大学院に戻る。一般社会人も同様に仕事をしながら、若しくは社員のまま、出勤しないで大学院の試験勉強や単位取得のための勉強をすることができる。このように社会全体で勉学の機会を与えているという環境がある。このような社会環境そのものが人々の勉学への意欲を引き出しているということが言えると思う。

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日本の教育についてはあまりよく知らないので、とやかく言える立場にはないが、戦後、日本の学校はアメリカの教育政策に翻弄されて(?)、”正統なアングロ・アメリカ天才輩出装置”ではなく、”病的な闘争心増殖装置”による”いびつ人間製造工場化”したのではないか。そして、一部の”小ぶり秀才養成校”とその他大勢の“落ちこぼれ囲い込み校”を生んだのではないか。


その結果、アメリカ同様、親の所得格差が子供達の学力格差に比例するという状況が生まれている。

「教育支出における私費負担の割合」

http://www.gamenews.ne.jp/archives/2008/09/oecd.html


以上のようなことから、単なるばらまきだけでは日本の国には何の変化も起こらないということだけは自明の理であるといえそうだ。


*民主党は子供一人当たり月に2万円6千円の「子供手当」を支給するという案もマニフェストに盛り込んでいるが、ワーキング・プアーのために結婚して、子供すら持てない独身者達の問題を解決する方が先ではないか


最近の親たちの中には破廉恥きわまりない親が大勢いて、親はおしゃれをして、遊びまわっているくせに子供の給食代や月謝の支払いは滞らせるといった例も見られるとの話を聞いたことがある。貧困所帯には支給もいいが、金持ちの親にまで均等にばらまくというのは単なる人気取りというものだろう。

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(コメント by Bob)

■子ども貧困大国・日本

文部科学省の図表で見る教育OECDインディケータ2008年度版(2005年度データ)
http://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/002/index01.htm


ここに教育に関する財政支出の対GDP(国内総生産)比というデータがあります。
日本は28国中最下位です。

お金をかければ良いという問題ではありませんが、公費負担が少なければ、自ずと教育レベルに格差が出来るのは至極当然な結果だと思われます。


Bob 2009-08-10 18:04:32
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(レス by sunshine)

■日本の学校は確かに貧相

資料の紹介、ありがとうございます。

日本がこれほど公教育費への出費を低く抑えているとは知りませんでしたが(それにしてはよく頑張っている)、ではどういうところに政府はお金を使っているのだろうかと疑問に思いますね。

Bobさんも経験なさったことかもしれませんが、UCBには京大、東工大、早大、東大などを卒業した留学生がいますが、彼らが一様にいうことはいかに日本の大学の施設が貧相で環境が悪いかということですよね。まるで子供だましだと。州立大でもこうですから(といってもUCBは産学共同体的側面もあるので大企業からの資金も落ちているが)、私立大ともなるとそれはもっとすごいものです。

”科学国家・アメリカ”を国策としていたかつての“栄光のしるし”と言えばそれまでですが、”落ち目”とはいえまだまだ底力のようなものは感じます。

どこにどうお金をかけるのか、国家としての明確なビジョンのもとにお金をかけてほしいと思います。


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(コメント by Kaeru)

■同感ですが・・・

10年以上の経験を持つ公立高校英語教師です。おっしゃっていることはもっともだと思います。北欧の例を出されているように、同じ「教師」と言われる職業であっても、実態は国によって異なり、「教育」とは何かという根本的な価値観も異なるように思います。


高3の担任をしていますが、授業にもまして、進路ガイダンス(学習方法のアドバイス、就職先や志望校決定のアドバイス、三者面談、保護者へのフォロー、奨学金申請手続き)、部活動(当然休日出勤)、学校行事(体育大会、文化祭、予餞会)、校務分掌(学校運営を円滑に行うため、企画広報、進路、生徒指導、保健、図書、情報、研修などに所属し仕事をします。PTA、同窓会、地域との連携。)に教科指導と同等あるいはそれ以上の時間を割かなければいけません。

様々な問題を抱える生徒に対しては、担任が話を聞き、フォローしながら、専門家に相談する橋渡しを行い、問題行動(喫煙、万引き、いじめ)があった場合にも学校で指導します。不登校生徒への対応も行います。原因が学校ではなく家庭環境や成育歴の問題でも、問題解決のために関わります。クラスに統合失調症の生徒がいましたが、とても大変でした。


アメリカでは、教科を教える教師ではなく専門のカウンセラーがこれらのことに対応してくれるようですが、日本では違います。日本の学校教師が果たすべきとされている責任は、様々な国のそれをはるかに超えているようです(おそらく北欧諸国ではこれほど沢山の責任を教師が負うことはないのではないでしょうか)。


現場としては、日々の研鑽や研修に割く時間をどうやって捻出すればいいのか、と文部科学省に言いたいのが本音です。


私自身は勉強する時間を捻出し、金を貯め、3年間休職し、アメリカの大学院で修士号を取り、1年間の博士課程の後、休学し、日本に戻って来て、再び教壇に立っています。


戻って感じたことは、異なる価値観や環境を見たり、経験したりしたことが無い人達にとっては、私が経験したことを想像することすらできません。教育の質を向上させるためには、教師の質の向上を図らねばならないと思いますが、日本社会全体の価値観として社会人として、あるいは教員として大学院に戻るということが依然受け入れられていません。勉強してきたことを現場で生かそうと努力し、知識の共有をしようとしても、なかなか浸透しないのが現状です・・・(溜息)

フィンランドがIT分野で世界をリードできるようになったのも、フィンランド語がインド・ヨーロッパ語族でない特殊な言語であるがゆえに国際的な競争についていけないというところから、英語教育に力を入れてきたからだと聞きました。小学校の時から外国語2科目(スウェーデン語と英語)を履修しなければならず、今では大体英語を話せばどこでも通じるほどにまでなっています(反面、フィンランド語と民族としてのアイデンティティーが失われるといった危機感も世論としてあるようですが)。そのためにIT分野で秀でた国となったと聞きました。

Kaeruさんのような経歴の方を埋もれさせておくとは、本当にもったいない話です。これもひとえによく言われる「日本人の島国根性」というものでしょうか。仲間同士足の引っ張り合い、潰しあいをする、「出る杭は打つ」という島国独特のいやらしい、劣等感と僻み根性が混在したメンタリティーなのでしょう。

一度教育関係者は全員、海外に行って見聞を広めなければ、そんな狭い了見では良い教育など出来る筈がないですよね。外国まで研修に行くには費用がかさむということなら、せめて日本にあるインターナショナル・スクールなどに行き、見聞を広めるよう文部科学省には強く進言したいですね。

下記の学校などいかがでしょうかね(日米同盟が強固な絆で結ばれているのなら、ASIJもNOとは言わないでしょう…笑)。
http://community.asij.ac.jp/Page.aspx?&srcid=-2


いずれにせよ、日本はもっと教育にお金をかけなければ駄目ですね。教師の負担を軽減し、本来の仕事にエネルギーを注げるよう改善を強く望みます。


*この分野になると私よりも詳しいこげぱんさんが今休暇中ですので、また戻られてから”熱のこもった”文章を書いてくださることと思います。これでもかあ!といった感じで(笑)


アメリカ高等教育、その光と影/アメリカ高等教育衰退の予兆!?

(by こげばん)


おことわり:本記事はsunshineさんの記事「師走になると思いだすこと」
http://ameblo.jp/sunshine-berkeley/entry-10166054355.html
へのレスとして書いたものです。上記記事とあわせ読んでいただければ幸いです。

WW2終戦後、その先進性や独創性などにより、世界中の知的階層の憧れの的であり続けたアメリカ高等教育。先のsunshineさんの記事には、3代かけて知的専門職への登竜門たる高等教育機関にようやくたどりつく黒人の話が描かれているが、今日では並外れた知的能力と資力に恵まれた移民の子息の中には、たとえば下記記事のように3代といわず1代目からアメリカ人エリートに伍して、プレップ・スクールのような知的専門職への登竜門を駆け抜ける人もいるようである。(拙者、留学経験は皆無なので、このあたりの事情が違っていたら申し訳ありません)

<ただいま留学中> サンディエゴ高校白書
http://www.asyura2.com/08/social6/msg/200.html

上記記事や先年日本でも話題になった岡崎玲子「レイコ@チョート校」(集英社新書)あたりを読むと、世界中から集まる富裕層エリートの卵たちの並外れた知的能力とアメリカの先進教育に溜息が出る思いがするが、同時に上記記事では、教育や就業機会さえ限られ貧困層や、生涯ガーデナーをして暮らすであろうメキシコ人についての記述もある。

上記記事は「上昇志向で常に瞳を輝かせ夢を追う友人達と、庭で黙々と働くガーデナーとを思うとき、私は同じ世界に横たわる果てしなく深い格差を感じ、軽い目眩さえ覚えるのだ。」という一文で締めくくられているが、深まる一方のアメリカ社会の格差や教育の光と影を考えると、現在の貧困層やマイノリティなどが3代で専門職への扉を開くことが出来るかどうか、いささか疑問に思える。

sunshineさんの記事にある夭折したハーバードの黒人医師は、才能やご両親の理解など色々な面でかなり恵まれたケースだろうと思えるが、貧困層やマイノリティの中にも、このような逸材がまだまだ眠っているかもしれない。

何時の日か、願わくはこの経済危機を奇禍にして、いい意味でアメリカ社会の格差が縮小して、貧困層やマイノリティの隠れた逸材にも日の目が当たるようになれば、と願っている。

▽参考エントリー
「白人にコントロールされるな」といったSF市内のワル高校での話
http://ameblo.jp/sunshine-berkeley/entry-10075096902.html

・アメリカ高等教育衰退の予兆!?

さて本ブログでも一度とりあげたが、アメリカ・民主党リベラルグローバリスト系シンクタンク・ブルッキングス研究所が発表した「アメリカ次期大統領が直面する10大世界経済問題」と題する論文の中には、「(アメリカの)ソフト・パワーを最大限活用せよ」という提言がある。

金融危機という名のぺテンに騙されてはならない
http://ameblo.jp/sunshine-berkeley/entry-10153116586.html

ソフト・パワーの大きな柱の一つは言うまでも無く教育だが、その肝心のアメリカ高等教育、今回の経済危機の影響をモロに受け、経済的窮地に立たされようとしているという趣旨の記事が少し前のWSJにあったので、要旨を紹介することにしたい(全文は下記リンクを参照してください)。
---
http://online.wsj.com/article/SB122532196647782053.html

Economy Forces College Hopefuls to Lower Sights
Many Weigh Cheaper Options as Financial Woes Mount; From Pre-Med to Nursing
By SHELLY BANJO

Cut-Rate Education

Families have gotten nervous about the cost of college as the economy
weakens.

* High-school seniors are applying to less prestigious schools or adding
cheaper schools as backups.
* Students are seeking out colleges close to home to save on fuel and
housing costs.
* Some private colleges are boosting financial aid, so students
shouldn't give up on these institutions.
---
WSJ記事によると今回の経済危機により、高等教育機関の高額な学費負担に二の足を踏む家庭が増え、たとえば医学部志望の学生が看護学部などの経済的負担の軽い学部へ志望変更する例がみられたり、通学費を節約するために実家近くの大学に進学したり、大学側も中退者を少しでも減らすべく奨学金制度を拡充する動きが見られる、などとある。

WW2後世界をリードしてきたアメリカ高等教育に、このような形で衰退の兆しが見えるとなると、この点からもアメリカ衰退と多極化現象がうかがい知ることが出来ると言えるかもしれない。

多極化世界がどのようなものになるか現時点ではわからないが、-真の民族自立or世界的混沌から多国籍企業などのNon-state actorsの影響力増大へ?- いずれにせよ興味深い動きではある。

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(コメント by sunshine)

■教育ビジネスの”輸出”を今後の国策とするアメリカ?

まず私の書き方が言葉足らずだったようで、お詫びします。

私が書いた「3世代かけての階層上昇」については、日本からアメリカへ移民が開始された1868年(明治維新の頃)から第二次大戦前頃までの移民を指しています。奇しくも(それとも仕組まれてか?)この1868年というのは黒人史から見れば、1865年に憲法修正第13条(奴隷制度の廃止)が成立した後、憲法修正第14条(黒人の公民権)が成立した年でもあります。


日系人史について少し書くと、1868年6月、砂糖農園の労働者としてハワイに入植した人々は「元年者」と呼ばれ、女性、子供を含む総勢約150名ほどの団体でした。彼らのほとんどは金儲けのためにハワイに行くことを決意した人々であり、「口入屋」木村半兵衛の口車に乗せられた人達が多かったようです。「元年者の中には農民が一人もおらず、職業別にみると、陶工、商人、仕立て屋、板前、床屋、鍛冶屋、それに横浜の路上で頭数をそろえるために調達された浮浪者からなっていたと文献には書かれています。


しかし、この頃はまだハワイはアメリカの州ではなかったので(アメリカに合併されたのは1898年、50番目の州になったのは1959年)、日本人が初めてアメリカに移民として渡ったのは、1869年6月頃、戊辰戦争に敗れた会津藩出身者達が、カリフォルニア州サクラメント市郊外のエルドラルド郡ゴールドヒルに作った「若松コロニー」が最初となります。これを率いたのはエドワード・シュネルというオランダ人(一説にはドイツ人)の武器商人であり、会津藩に鉄砲を売り込んでいた人物。彼の妻はじょうという名前の日本人であったことから、一行7名を率いて入植。そしてその年の9月に16名が入植したとなっています(彼はもしかしたらユダヤ系だったかも? あのトーマス・グラバーとも関係があったのでは? この辺は別のテーマになるのでカット)。


ゴールドヒル一帯は彼と同じオランダ系やドイツ系の入植地であったこと、風景や地理条件が会津に似ていたからとも言われています。


これ以降、日本人のアメリカへの移民が多くなってきたわけですが、彼らの多くは貧乏な農村出身者が多く、富を求めて自らの意思で新天地に渡った人達でした。同じ時期、黒人奴隷達も「自由人」となり、プランテーションから解放され、北部への移住者も増えました。この両者の比較をすることによって、自己のルーツを持ち、農民とはいえ少しながらでも教育を受けたことのある者と、自己のルーツを断ち切られ、教育を受けることを禁じられていた奴隷との差は、その後の世代にいかに大きな影響を及ぼしたかということを言いたかったわけです。

従って、戦後、高等教育を受けた親と共に移民として渡った子弟と、それ以前の移民の子弟とは土俵が全く異なるため、比較できませんし、ましてやエリート海外駐在員を親に持つ子弟達の場合は論外です。

現在、おっしゃるようにアメリカの金融危機は大学運営や授業料を支払えない学生の増加、学生ローンの貸し渋り、膨れ上がる学生ローンの支払いに追われる学生などの問題を生じています。

UCB TV-You Tube(カリフォルニア大学バークレー校テレビのYou-Tube)
http://jp.youtube.com/watch?v=iFd8XhTlupw


現在、カリフォルニア州は110億2千万ドル(約1兆1千2百億円)の財政赤字を抱えており、10校あるUC(University of California-カリフォルニア大学)の予算を総額6,550万ドル(約65億5千万円)削減するとの発表がつい先日、行われました(もう一つの州立大学であるカルフォルニア州立大学ーCalifornia State University-の予算も当然削減される)。

http://berkeley.edu/news/budget/

How governor's latest budget proposals affect UC and UC employees
As proposals move to the Legislature for consideration, the outcome and impact are still uncertain

ちなみにUC Berkeleyの授業料は下記の通りで、同じカリフォルニア州の州立大学でも23校あるCalifornia State University(カリフォルニア州立大学)と比べるとかなり高い(他州の州立大学と比較しても高い方)。

カリフォルニア大学バークレー校の授業料及び必要経費(州内出身者と州外出身者では異なる)

http://students.berkeley.edu/finaid/home/cost.htm

カルフォルニア州立大学(California State University)の授業料及び必要経費

http://www.calstate.edu/SAS/fa_coa.shtml#sf

カリフォルニア大学の10校

http://www.universityofcalifornia.edu/campuses/welcome.html

カリフォルニア州立大学の23校
http://www.calstate.edu/


全米トップ大学の授業料

http://colleges.usnews.rankingsandreviews.com/college/national-search


全米トップ大学院のランキングと授業料

http://grad-schools.usnews.rankingsandreviews.com/grad


教育にも「新自由主義」とやらを持ち込み、あまりにもビジネス化しすぎたつけが怒涛のごとく押し寄せているといった方がいいでしょうか。あまりにも授業料がバカ高すぎました。それは授業料ほとんどゼロの宗教系大学や安い州立大学も南部の方にはありますが、そういうところを出ても世間では通用しない社会、それがアメリカ社会でした。

ところが今回、このような大恐慌に襲われ、国内の“教育ビジネス”が機能不全に陥りつつあります。でも、さすがというべきか、マネー、マネーのーアングロ・サクソンーユダヤ系民族のメンタリティーとでもいいましょうか、活路を中東のオイル・マネー国に見出して、教育ビジネスの”輸出”をやり始めた模様です(笑)

中東諸国には元々、アメリカン大学というのはあったのですが、カタールではこんなにたくさんの有名アメリカ大学が進出しています。”ピーク・オイル”後の国策として人材育成というカタールと教育ビジネスの“輸出”をもくろむアメリカとの利害が一致したということでしょうか(カタールがうまく乗せられたということはないか?)。

http://en.wikipedia.org/wiki/Qatar
These include Carnegie Mellon University, Georgetown University School of Foreign Service, Texas A&M University, Virginia Commonwealth University, Cornell University’s Weill Medical College and Northwestern University. In 2004, Qatar established the Qatar Science & Technology Park at Education City to link those universities with industry.

カーネギーメロン大、ジョージタウン大、テキサスA&M大、コーネル大、ノースウエスタン大、バージニア州立大学等々。

またドバイにも今年8月、ミシガン州立大学が進出しています。その他、世界各国にこの教育という名の“ソフト・ツール”(ソフト・パワー?)の売り込みをやっているようです。

http://www.zawya.com/story.cfm/sidZAWYA20071119120347

Top Ranked US University Launches Dubai Campus


「金になることなら何でもやる」ーこのタフなメンタリティーを日本人も見習わなければいけませんね(笑)

しかし国内の教育は劣化しても、そんなことより、もし、ビジネス優先ということがアメリカ高等教育界トップ連中の本音だとすると、この先アメリカはどうなるのか、推して知るべしですね。


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